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 一般向け経済誌が特集で取り上げるなど、相変わらずプログラミングが注目を集めている。「素人記者がプログラミングに挑戦してみた」といった記事も多い。

 「やったことはないが、自分もプログラミングを始めればガラッと世界が変わるのではないか」と思っている読者も多いだろう。私もかつてはそうだった。

 私がプログラミングを知ったのは中学生のときだ。出会った時期自体は早い。自分が持っていたパソコン用に簡単なゲームのプログラムを作り、遊んでいたこともある。

 しかし、プログラミングに対してはずっと苦手意識を持っていた。見よう見まねでプログラムは作れるものの、どうして動くかはあまり説明できない。プログラミングを理解できている実感は全くなかった。「いつかプログラミングができるようになりたい」とずっと思っていた。

できるといっても無数のレベルがある

 私がプログラミングをきちんと学ぶきっかけになったのが、2005年に日経ソフトウエアという雑誌の編集部に異動したことだ。

 日経BPの雑誌は書店を通さない定期購読タイプが多いが、日経ソフトウエアは書店売りの一般向けプログラミング雑誌である。基本的には外部の執筆者に原稿を依頼することが多い。ただ自分で記事を書くこともある。

 プログラミングを学ぼうと思った理由は2つある。1つは自分がプログラミングの記事を書かなければならなくなったこと。もう1つは外部執筆者のプログラミングの実力を見極める必要があったことだ。

 学習のために使うプログラミング言語には「Scheme(スキーム)」を選んだ。教育用によく使われていた言語で、実用的なソフトウエアの開発にはあまり使われない。実用的な言語を選ぶと、固有の文法やライブラリーといったその言語だけの事情に引っ張られてしまうのではないかと考えたのだ。言語にとらわれないプログラミングの本質を学びたかった。

 当時、Schemeを使ってコンピューターサイエンスの基礎を学ぶ勉強会が週に1回開催されていた。そこで、その勉強会に欠かさず参加するようになった。勉強会は2~3年続き、それなりの量のSchemeコードを書いた。この経験が、自分のプログラミングの基礎になっていると思う。

 こうして少しはプログラミングができるようになって初めて分かったことがある。「プログラミングができるといっても、そのレベルの幅はとんでもなく広い」ということだ。プログラミングが少しできる人と最上位レベルのプログラミングの実力を持つ人の差は、想像以上に大きかった。