全2717文字
PR

 このコラムはプログラミングを主なテーマにしている。プログラミングは、注目されることが多い半面、習得しようとしてもなかなかうまくいかない技能でもある。うまくいかない原因について、過去のコラムで何回か取り上げた。

 まず、プログラミングができない理由として、「変数」と「値」の区別について考察したことがある。

 変数が値を入れるものであることは、プログラミングをしたことがある人は誰でも知っていると思う。両者はあくまで別のものだが、初心者はこれらを混同しやすい。私自身、プログラミングを解説する記事を書いているときに、変数に格納されている値のことをその変数名で呼んでしまうことはよくある。

 実際には、変数に「評価」という操作を加えることで初めて、値を取り出して利用できるようになる。プログラムの実行時に変数の評価がいつ行われるかを明確に意識することは、プログラミング初心者から脱出するためのステップとして、とても重要だ。

 一方、別の角度からプログラミングができない理由について考えたこともある。

 ここでは、プログラミングができない最大の理由として「実際に手を動かしてコードを書いた時間が足りていないこと」を挙げている。

 これはプログラミングに限らずすべての技能に共通することだ。例えば、「演奏の天才」と評される音楽家は、ほぼ例外なくすさまじい量の練習を継続して行っているという。1日に10時間以上を練習に費やし、少しでも練習を休むととたんに腕が落ちてしまうらしい。

 私も楽器をかじったことはあるが、全く上達しなかった。気が向いたときに少し練習する程度なので当然だ。すらすら演奏できる人をうらやましく思うこともあるが、そうなるまでの練習量は並大抵ではないことは、肌感覚として容易にわかる。アマチュアレベルでまともな演奏ができるようになるだけでも、楽器を触ったことがない人には想像できないくらい大変な量の練習が必要だ。