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 前回のコラムでお知らせしたように、2019年10月20日に実施された秋期の「基本情報技術者試験」を受けてきた。目的は、今回の試験を最後に廃止されるCOBOLの出題に挑戦するためである。

 基本情報技術者試験は、IT関連では定番の資格試験だ。プログラミングを含む幅広いITの知識を問われる。試験は1年に2回、春と秋に実施される。

 この試験を実施している情報処理推進機構(IPA)は2019年1月、2020年春期試験から出題内容を見直すと発表した。午後の試験で選択できるプログラミング言語のうち、COBOLを廃止してPythonを新たに採用するという。

 つまり、COBOLで受験できるのは、2019年秋期試験が最後のチャンスになる。そこで、このCOBOL試験をいわば「記念受験」することにしたのだ。

 ただ、前回のコラムで説明したように、試験勉強にはなかなか力が入らなかった。2019年秋期試験の結果にかかわらず、2020年春期試験も受けようと考えているからだ。最初のPython試験を記念受験するためである。

 COBOLの勉強は、解説書を買って細々と続けていた。ただ結局、解説書の半分程度までしか進められなかった。

 過去問題集に至っては、前日の19日になってようやく開く気になった。どんな問題が出題されるかをざっとながめていると、自分が知らない概念がちらほらある。そうした概念が問題中に出てくると、正解できない可能性が高い。

 加えて、出題される分野の範囲もかなり広い。「真面目に準備していないと解くのは難しいな。今回は落ちたか」。正直、そう思った。

 翌日の試験に備え、その日は早く就寝するつもりだった。ところが、その日に限って競技プログラミングサービス「AtCoder」の初心者向けコンテスト「AtCoder Beginner Contest(ABC)」が開催されるという。

 ABCの開催時間は21時から22時40分まで。「ABCが終わったらすぐに寝よう」と考えて、参加することにした(ABCの結果については後述)。

 これがあだになった。プログラミング問題を解こうとして軽い興奮状態になったため、なかなか寝付けなくなってしまったのだ。今回のABCはあきらめて次の機会に参加したほうがよかったのではないかと後悔した。

意外に解けた午前試験

 それでも試験当日は何とか早起きして、早めに家を出た。幸い、試験会場は自宅から電車1本で行ける駅の徒歩圏内である。昼休みに外出する時間がもったいないので、あらかじめコンビニエンスストアで昼食を買った。

 試験会場に着くと、自分の受験番号はその会場の最後の番号だった。受験を申し込むときに、受けるかどうかをさんざんを迷って、結局、締め切り直前に申し込んだためだろう。試験は複数の部屋で実施されていたが、一番奥の部屋の一番後ろの席だった。