良いプログラマーになるための心得を説いた「達人プログラマー(原題:The Pragmatic Programmer)」という古典的名著をご存じだろうか。この書籍に書かれている心得の中に「毎年少なくとも1つのプログラミング言語を学習する」というものがある。
自分がいつも使っている言語とは性質が異なる言語を学ぶと、プログラムのロジックやその書き方、よくあるパターンの実装などについて深く考えるようになるという。また、言語を学ぶことは、単に文法や構文を覚えるだけでなく、その背景にある文化を学ぶことにつながる。これらにより、プログラマーの実力は大きく向上する。
日経クロステックではソフトウエア開発の現場に役立つコンテンツの充実を進めている。そこで、いくつかの言語に特化した連載を始めようと計画している。
現在、学習のニーズが最も高い言語は、何といっても「Python」だろう。日経クロステックが実施したアンケート「プログラミング言語利用実態調査 2021 夏」の「今後、スキルを磨きたいと思う言語」という項目では、Pythonがぶっちぎりの1位だった。
関連記事: GoやRustがスキルアップしたい開発言語の上位に、不人気1位は不動のあの言語もっとも、Python以外の言語でプログラミングができる人であれば、Pythonはすぐに使えるようになるはずだ。Pythonは奇をてらった部分が少なく、ロジックを素直に書けば動く。いい意味で「無色透明な言語」だ。Pythonそのものの学習はそれほど大変ではない。
「Pythonを学びたい」というのは、実際には「Pythonのライブラリーの使い方を学びたい」という意味ではないだろうか。Pythonには、データ処理を行う「NumPy」や「pandas」、機械学習の「scikit-learn」、深層学習の「TensorFlow」や「PyTorch」など、よく使われているライブラリーがいくつもある。
こうしたPythonのライブラリーを使ったソフトウエアの作り方は、日経BPが発行するプログラミング雑誌「日経ソフトウエア」がよく取り上げている。2022年は日経ソフトウエアの記事の日経クロステックへの掲載を充実させていこうと考えている。