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 NTTドコモの新料金で激震が走った2020年の携帯電話業界。筆者は年初に「携帯値下げ競争は不発に終わる」という記事を執筆していたので、真逆の展開に終わった。最大手のドコモが料金競争を仕掛けるとは全く想定できなかった。この場を借りておわび申し上げたい。

 2021年はどうなるだろうか。下手な予測はやめ、注目ポイントとして「楽天モバイルの反撃」「格安スマホの淘汰」「5G(第5世代移動通信システム)による固定回線離れ」の3点を挙げたい。

次の一手を打たざるを得ない楽天

 まず楽天モバイルを挙げたのは、さらなる料金競争を引き起こせるとすれば、同社しかいないからである。ソフトバンクはドコモの料金下げに対し、大容量や中容量のプランを中心に「ミート戦略」で合わせてきた。恐らくKDDI(au)も「殴り合い」の競争を避けるため、同様の水準に寄せてくるだろう。つまり、KDDIの次の発表で料金競争はいったん終わる可能性が高い。

 だが、楽天モバイルは置かれた状況が異なる。新規参入なので守りに入る余裕はなく、攻め続けなければならない。楽天の三木谷浩史会長兼社長は2020年5月開催の決算説明会で損益分岐点について700万件と言及したが、2020年12月に累計申込数が200万件に達したばかり。1年間無料の適用が終わるタイミングで解約や移行を計画するユーザーも多いとみられ、2021年4月までに次の一手を打たざるを得ない。現状のままという選択肢はないはずだ。同社がここで大手3社から顧客を奪えるようなインパクトを打ち出せれば、もう一段の料金競争に発展する可能性がある。

 楽天モバイルは反撃の余地があるとして、心配なのは格安スマホを展開するMVNO(仮想移動体通信事業者)である。音声通話もデータ通信もそれほど使わないので毎月の負担をとにかく減らしたいというニーズはあるものの、毎月20ギガバイトのデータ通信量に5分以内の国内通話かけ放題まで付いて2980円(税別)というドコモやソフトバンクの新料金に魅力を感じるユーザーは多いと思われる。