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 携帯大手の2019年4~12月期決算が順調だ。ソフトバンクの決算発表はこれからだが、NTTドコモとKDDI(au)をみる限り、だいぶ余裕があるように映る。注目は通期予想に対する進捗率。売上高は両社とも75%程度に対し、営業利益はNTTドコモが94.9%、KDDIが82.7%と高い水準にある。

NTTドコモとKDDIの2019年4~12月期連結決算(国際会計基準)
カッコ内の数字は前年同期比、▲はマイナス
事業者名売上高営業利益売上高営業利益率
NTTドコモ3兆5160億円(▲3.8%)7878億円(▲12.7%)22.4%
KDDI(au)3兆9025億円(+3.5%)8438億円(+2.6%)21.6%
NTTドコモとKDDIの2020年3月期の業績予想と2019年4~12月期の進捗率
カッコ内の数字は前年同期比、▲はマイナス
事業者名売上高進捗率営業利益進捗率
NTTドコモ4兆6400億円(▲4.1%)75.8%8300億円(▲18.1%)94.9%
KDDI(au)5兆2000億円(+2.4%)75.0%1兆200億円(+0.6%)82.7%

 それでも両社は通期予想を上方修正しなかった。期初には「楽天モバイルの新規参入による料金競争の激化」で業績の悪化も懸念された。だが、同社の商用サービスの本格展開は2020年4月となり、最大の懸念は来期(2021年3月期)に先送りとなった。足元では顧客の流動性が低下しており、特に不安材料があるわけでもない。菅義偉官房長官が携帯料金を4割程度下げると意気込む中、業績が好調に見えるのは望ましくないとの思慮でもあるのだろうか。

 両社によると通期目標の達成はほぼ間違いないが、固定資産の除却や成長投資の前倒しなどを計画しているため、大きく上振れることはないという。とはいえ、固定資産の除却や5G(第5世代移動通信システム)投資の前倒しといっても、今期中にすぐに実現できることは限られる。結局は「スマホ決済」をはじめとする金融・決済サービス関連の販促が大勢を占めることになるのではないかとみている。

ドコモはまだまだ余裕?

 携帯大手の営業利益は例年、第4四半期に著しく低くなる傾向がある。年間最大となる春商戦で販促費がかさむためだ。NTTドコモの2019年3月期決算を例に挙げると、2018年4~6月期が3099億円、同7~9月期が3006億円、同10~12月期が2915億円、2019年1~3月期が1116億円といった具合だ。このため、冒頭で挙げた進捗率の高さについては「何ら不思議ではない」との反論が多いかもしれない。