携帯電話の料金下げ競争が激しさを増している。格安スマホ大手のインターネットイニシアティブ(IIJ)が現行から大幅な引き下げとなる新料金プランを打ち出し、NTTドコモはオンライン専用プランのさらなる引き下げを発表した。消費者にとってはありがたい話だが、減収影響が心配になってしまうほどだ。
かなり踏み込んできたIIJ
IIJが2021年4月1日に提供を始める「IIJmioモバイルサービス ギガプラン」の音声SIMの月額料金は通信量が2ギガバイトで780円(税抜き、以下同じ)から。同4ギガで980円、同8ギガで1380円、同15ギガで1680円、同20ギガで1880円と、小容量だけでなく大容量でも競争力の高い値付けとした。
IIJの現行料金は3ギガバイトの「ミニマムスタートプラン」で1600円、6ギガバイトの「ライトスタートプラン」で2220円など。同じ格安スマホ大手で「mineo(マイネオ)」を展開するオプテージが2021年2月1日に始めた新料金プラン「マイピタ」は1ギガバイトで1180円(音声通話+データ通信の「デュアルタイプ」)からであり、かなり踏み込んで攻勢に出てきた。
IIJは別途、データ通信専用のeSIMサービスも展開する。こちらは2ギガバイトで400円からとさらに安い。20ギガバイトでも1500円となっている。格安スマホでeSIMサービスを手掛ける事業者は限られ、同業他社を大きくリードした格好だ。
格安スマホ事業者は携帯大手3社や楽天モバイルの料金下げで、ただでさえ厳しい状況にある。同業のIIJまで大幅な料金下げを打ち出し、さらに追い込まれることになった。オプテージは見直しが必至。これから新料金プランの発表を予定するソニーネットワークコミュニケーションズやNTTコミュニケーションズにも大きな影響を及ぼしそうだ。結局は「体力勝負」となり、淘汰が加速するような気がしてならない。