全1709文字
PR

 携帯大手のオンライン専用プランの提供がいよいよ始まった。ソフトバンクは他社より早く2021年3月17日に「LINEMO(ラインモ)」を開始。KDDI(au)の「povo(ポヴォ)」は3月23日、NTTドコモの「ahamo(アハモ)」は3月26日の予定である。

 MMDLaboのMMD研究所が4万人を対象に2月に実施したアンケート調査によると、「メイン利用端末の料金プラン変更や乗り換えを検討している」という回答は37.0%。プラン変更や乗り換えの検討先(最大3つ)の上位は、「ドコモ(ahamo以外)」が24.7%、「ドコモ(ahamo)」が21.8%、「Rakuten UN-LIMIT」が18.1%だった。

メイン端末におけるプラン変更や乗り換えの検討先はドコモが上位を占めた
メイン端末におけるプラン変更や乗り換えの検討先はドコモが上位を占めた
(出所:MMDLabo)
[画像のクリックで拡大表示]

 さらにそれぞれの検討先の回答ごとに利用中の携帯電話会社の比率を調べた結果、同じ会社のまま移行を検討する傾向が強く見られた。ahamoの72.9%、povoの82.4%、LINEMOの76.6%は同一会社での移行検討だった。携帯会社間のユーザーの大移動とはならなさそうな気配である。

同じ携帯会社で移行を検討する傾向が強い
同じ携帯会社で移行を検討する傾向が強い
(出所:MMDLabo)
[画像のクリックで拡大表示]

 携帯各社の競争状況はさておき、筆者が懸念しているのはオンライン専用プランにまつわるトラブルの増加である。大手3社のオンライン専用プランは菅義偉政権の強い要請を受け、急ごしらえで登場した。料金の発表が先行し、2月から3月にかけて細かな仕様が徐々に明らかとなっていった。中には提供条件が途中で変わったケースもあった。消費者の理解が追い付いていない可能性が高そうなのだ。

代替機の貸し出しも郵送対応

 オンライン専用プランでは料金を安くするため、様々なサービスや機能を削っている。文字通り、申し込みはオンラインのみ。店舗や電話での問い合わせや相談は受け付けず、基本的にチャット経由となる。例えばahamoの提供条件を見ると、故障対応もオンラインだけ。代替機の貸し出しも郵送での対応になるという。

 留守番電話サービスやキャリアメールも使えない。ahamoは「spモード コンテンツ決済サービス(dメニュー掲載コンテンツ)」に対応しないため話題を呼んだ。同機能を活用してコンテンツサービスに加入していると、ahamoに乗り換えたタイミングで自動解約となる。別の携帯会社に乗り換えても起こることだが、コンテンツ提供事業者は事前に別の決済手段に切り替えることを広く呼びかけている。