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 携帯大手3社のパケット接続料が2020年3月31日に明らかとなった。パケット接続料とは格安スマホを手掛けるMVNO(仮想移動体通信事業者)がデータ通信サービスを提供する際の「仕入れ値」に相当し、収入の多くはこの支払いで消える。経営を大きく左右する存在だけに毎年注目となっている。

 既報の通り、2019年度適用のパケット接続料はソフトバンクがNTTドコモを抜き、最安となった。「ドコモ最安」の状況が崩れるのは初めて。改めて振り返ると、ソフトバンクのパケット接続料は2013年度時点でドコモの約2.8倍と高く、接続料格差が大きな問題となっていただけに感慨深いものがある。総務省が格差是正に向け、算定方法の見直しなどに取り組んできた成果が結実した。

 MVNOにとっては朗報だが、気になるのはドコモだ。総務省はMVNOの事業予見性を高めるため、「将来原価方式」と呼ぶ算定方法を2020年度から新たに導入する。大手3社が公表した2020~2022年度のパケット接続料(予測)を見ると、ドコモは2020年度時点でKDDIにも抜かれ、最も高い事業者に転落する。あくまで予測にすぎないので変わる可能性もあるが、2022年度までこの状況が続く見通しだ。逆に心配になってくる。

携帯大手3社のパケット接続料(レイヤー2接続、10Mビット/秒当たりの月額)の推移
携帯大手3社のパケット接続料(レイヤー2接続、10Mビット/秒当たりの月額)の推移
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急伸するソフトバンク

 パケット接続料は設備にかかった費用をトラフィックで割ることで算出している。大手3社は算定根拠を開示していないが、上記結果に至った原因は総務省の公表資料からある程度推測できる。その資料とは「携帯電話及び全国BWAに係る電波の利用状況調査の評価結果」。大手3社の基地局数や周波数の利用状況などの詳細が分かるため、業界関係者が毎年楽しみにしているものだ。