楽天モバイルが2020年5月1日に通信障害を起こした。2019年10月に提供を始めた「無料サポータープログラム」から「Rakuten UN-LIMIT」に同日付で切り替えたユーザーの一部がデータ通信を使えない状態に陥った。同社は同日午前6時ごろから対応に当たり、完全に復旧したのは午後7時15分だった。
同社サイトのサポートページ「障害情報のお知らせ」を確認すると、通信障害は今回で3回目になる。1回目の2019年12月10日は3時間弱、2回目の2020年2月17日は2時間弱にわたって音声通話またはデータ通信を利用できなくなった。
実は、同社のトラブルはこれだけではない。無料サポータープログラムの提供開始直後は「接続できない」といった報告が相次ぎ、2019年12月1日には請求メールの誤送信が発覚。2020年3月26日には東京・大阪の一部ユーザーで約4時間30分にわたってデータ通信が使いづらい、または利用できない状態となった。
2020年4月8日に本格サービスを始めた直後には、通信アプリ「Rakuten Link」の登録時に電話番号の下6桁を入力すればSMS認証なしでも有効になる仕様が発覚し、業界関係者をあぜんとさせた。同社によると、同仕様は4月13日に改修したという。
総務省は2019年12月13日、楽天モバイルを行政指導した。12月10日の通信障害を受け、サービスの安定的かつ円滑な提供の確保を求めた。過負荷試験の実施や監視体制の適切な構築などを要請したが、その後もトラブルが続いている状況だ。
総務省による行政指導は早くも4回に達した。楽天モバイルは商用サービスの開始前から基地局整備の遅れを指摘され、2019年3月6日と7月17日、8月26日にそれぞれ行政指導を受けた。5回目の行政指導が出るのも時間の問題かもしれない。
楽天の三木谷浩史会長兼社長は以前、ソフトバンクで2018年12月6日に発生した大規模通信障害を受け、「基本的にはあり得ない」と豪語していた。ところが、蓋を開けてみればこのありさまである。新規参入でやむを得ない面はあるとしても、これだけ度重なると言い訳できない。重要な社会インフラを担っているという責任を自覚し、改めて再発防止を徹底してもらいたい。