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 中古スマホ市場がじわじわと広がりを見せている。MMD研究所が2022年5月に発表した調査結果によると、利用中のメイン端末について「中古スマホ」と回答した人が全体の11.6%を占めた(調査対象はスマホを所有する18~69歳の男女1万人)。前回調査(2020年4月)は6.1%だったので、約2倍に増えた。

中古スマホ(修正・整備品も含む)の所有率の推移
中古スマホ(修正・整備品も含む)の所有率の推移
(出所:MMDLabo)
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 2019年10月施行の改正電気通信事業法で通信料収入を原資とした端末の大幅な値引きが禁止となり、消費者の端末購入の負担感は高まった。足元では携帯大手のMNP(モバイル番号ポータビリティー)獲得競争激化で「一括1円」販売が復活して大きな問題となっているものの、人気端末を少しでも安く入手したいと考えて中古スマホを利用する消費者が増えている。

 総務省による環境整備の効果も大きい。総務省は中古スマホの業界団体、リユースモバイル・ジャパン(RMJ)の設立を促し、事業者向けガイドラインの策定や認証制度の導入などを推し進めてきた。SIMロック解除の対象も徐々に広げ、2021年10月以降は原則禁止とした。一連の取り組みにより、消費者は中古スマホを売買しやすくなった。もっとも、総務省の有識者会議が2022年5月に実施したRMJへの公開ヒアリングによると、課題はまだまだ多そうである。

「前の所有者のSuica残高が出てきた」

 RMJが会員企業へのアンケートに基づいて挙げた中古スマホの課題は、「ネットワーク利用制限の在り方と適用ルールの見直し」「中古スマホ売買事業者向けの連携窓口の設置/大口対応」「SIMロック解除の確認方法の簡素化」「端末機能が備えるデータ消去機能の完全化と義務化」など12項目に及ぶ。

中古スマホの業界団体、リユースモバイル・ジャパン(RMJ)が挙げた中古スマホの課題
中古スマホの業界団体、リユースモバイル・ジャパン(RMJ)が挙げた中古スマホの課題
(出所:総務省)
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 例えば、RMJのすべての会員企業が要望する「SIMロック解除の確認方法の簡素化」は、端末にSIMカードを挿さなければSIMロックが本当に解除されているか確認できないという問題の解消だ。中古スマホ売買事業者の多くはSIMロック解除済みであることを事前に確認したうえで販売しているが、人為的なミスも起こり得る。中古スマホの購入者から「つながらない」と問い合わせを受けた際、原因の切り分けがとにかく大変だという。ネットワーク利用制限と同様、SIMロック解除もIMEI(端末識別番号)の入力などで簡単に分かるようにしてほしいとする。