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 NTTドコモが格安スマホ事業者向けに提供する音声通話サービスの卸料金を巡り、日本通信が2019年11月に総務大臣の裁定を申請していた件がようやく前進した。総務省の電気通信紛争処理委員会が2020年6月12日、総務大臣の裁定案を妥当とする答申を出した。

 ドコモがユーザー向けに展開する「かけ放題オプション」や「5分通話無料オプション」を格安スマホ事業者にも卸提供すべきだという要望は退けたものの、日本通信が最大の目標としていた、音声通話サービスを「原価+適正利潤」の卸料金で提供すべきだとの主張を大筋で認めた。今後、通話料の引き下げに期待がかかるが、気になるのは実現時期である。

 総務大臣の裁定案は「原価+適正利潤」の適用だけでなく、「通話料の課金単位を1秒に設定」「新しい卸料金は裁定日から適用(旧料金との差分は遡及精算)」と強硬なものだった。だが、紛争処理委員会は6月12日の答申で、具体的な課金単位や課金方法、適用日などについては「総務大臣において、さらに両当事者から意見を聴取して裁定すべきだ」としたのだ。

 ドコモは紛争処理委員会の意見聴取で「システムの改修や構築には6カ月を優に超える期間が必要」とも回答しており、実現にはまだ時間がかかる可能性がある。

網側で「00XY」を自動付与

 格安スマホの音声通話を巡っては別の興味深い動きもある。ドコモが現在、格安スマホ事業者に提案中のプレフィックス番号付与サービスだ。

 大手を中心に一部の格安スマホ事業者では、中継電話サービスを活用して通話料を安くする取り組みを進めている。電話番号の前に「00XY」のプレフィックス番号を付けて電話をかければ通常の30秒当たり20円より安い通話料が適用されるというものだ。1回当たりの通話時間に上限を設けたうえで、通話定額を実現している格安スマホ事業者もある。