2020年12月に勃発した携帯電話の料金競争。携帯大手だけでなく、格安スマホを展開するMVNO(仮想移動体通信事業者)まで巻き込んだ激しい争いとなる中、現時点で好調に映るのは楽天モバイルとNTTドコモだ。
総務省が2021年6月に実施した利用者意識調査によると、新料金プランに「すでに乗り換えた」との回答は9.5%。移行先で最も多かったのは、楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT VI」で32.9%だった。以下、ドコモの「ahamo」が20.7%、ワイモバイルの「シンプルS、M、L」が13.0%、UQモバイルの「くりこしプランS、M、L」が12.3%、KDDIの「povo」が11.7%と続いた。
さらに「今後乗り換えたい」「乗り換えるつもりだが検討中」とした回答者(27.5%)に移行先を聞くと、最も多かったのがドコモのahamoで29.7%。以下、楽天モバイルのRakuten UN-LIMIT VIが22.5%、KDDIのpovoが13.4%、ソフトバンクのLINEMOが10.4%といった順番だった。他のユーザー調査でも楽天モバイルとahamoの人気ぶりが目立つ。
結局はサブブランド含めた総力勝負
楽天モバイルの人気ぶりについては改めて説明するまでもないだろう。気になるのは、ahamoのほうである。携帯大手3社でオンライン専用プランを真っ先に発表したのはドコモとはいえ、サービスの内容でpovoやLINEMOと大差があるわけではない。むしろ、ahamoは5分以内の国内通話かけ放題を標準で組み込んでいる分、料金がpovoやLINEMOより高く見えてしまう面すらあった。なぜ、ここまで人気ぶりに差が出ているのだろうか。
推測される理由の1つは、契約数シェアの違いが如実に出てしまっている可能性があることだ。様々な調査を見ていると、オンライン専用プランは自社内の乗り換えが多いとの結果が出ている。これを踏まえると、ドコモは契約数シェアが約37%と最も高く、移行先をahamoとする回答が増えて当然と言える。