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 KDDIが携帯電話の料金競争で攻勢に出ている。同社は「UQモバイル」ブランドで2021年6月に「でんきセット割」、9月に「自宅セット割」をそれぞれ投入したばかり。セット割の適用で格安スマホ事業者並みとなる月間データ通信量3ギガバイトで月額990円(税込み、以下同じ)を実現したばかりか、iPhone最新版の取り扱いや5Gサービスの提供なども始めた。

 続いて9月13日にはオンライン専用ブランド「povo」の大幅な強化を打ち出してきた。新サービス「povo2.0」の最大の目玉は基本料の月額0円。基本料月額0円でも22円/30秒で国内通話ができ、最大毎秒128キロビットでのデータ通信も可能。実際には必要に応じてデータ通信量やコンテンツサービスなどを追加購入(トッピング)する使い方を想定しており、ある1点を除き、実によく練られた設計となっている。

「#ギガ活」で自己負担0円に近い運用も

 まず料金を見て分かるのは楽天モバイルへの対抗だ。両者で細かな違いはあるものの、「月額0円」を訴求できる点は大きい。楽天モバイルは月間データ通信量が3ギガバイトまでで月額1078円、同20ギガまでで月額2178円に対し、povo2.0のデータ通信量の追加料金は3ギガ(30日間)で990円、20ギガ(30日間)で2700円。

 20ギガの比較では楽天モバイルに劣るが、povo2.0でも60ギガ(90日間、6490円)や150ギガ(180日間、1万2980円)を選んで1カ月当たりに換算すれば拮抗もしくは逆転する。さらに3ギガの水準では月額990円をいち早く打ち出したソフトバンクのオンライン専用ブランド「LINEMO」にもきっちり対抗してきた。

楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT VI」の概要
楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT VI」の概要
出所:楽天モバイル
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povo2.0で提供する「トッピング」の一覧
povo2.0で提供する「トッピング」の一覧
出所:KDDI
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 残念なのは、当初から売り物としてきた「データ使い放題(24時間)」が現行の220円から330円に値上げとなることだ。現行は月額2728円の基本料を前提に割安に設計していたが、見直さざるを得なくなった。「5分以内通話かけ放題」や「通話かけ放題」の料金は据え置いた。

 povo2.0で新たに始める「#ギガ活」と呼ぶ取り組みも同ブランドがターゲットとする若年層の支持を多く集めそうだ。#ギガ活では対象の店舗やサービスにおけるスマホ決済「au PAY」の利用などでデータ通信量が付与されるだけでなく、街中やバーチャル空間で特定アイテムを見つけてデータ通信量をもらうといった「遊び」の要素も取り入れた。

 対象の店舗やサービスには「すき家」「ドトールコーヒー」「丸亀製麺」「ローソン」といった有名店が並び、例えば500円以上の購入を条件に「300メガバイトのデータ通信量(有効期間は3日間)を付与」などとなっている。KDDIによるとキャンペーン期間の終了時期は決まっておらず、利用回数に上限はないという。データ通信量の付与には手続きの都合で2週間前後かかるが、うまく活用すれば限りなく自己負担0円に近い形で運用できるかもしれない。