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 もっとも、こうした#ギガ活に熱心なユーザーが増えると収益の拡大にはつながらず、auブランドからの移行が進めば減益すら懸念される。ただ、KDDIの高橋誠社長は9月13日の説明会で「業績への大きな影響はあまり想定していない。(現行の)povo1.0ではアクティブなユーザーのARPU(契約当たり月間平均収入)は結構、高かった。povo2.0でも#ギガ活で盛り上げ、多様な使い方を促すことで減益にはつながらないと判断している」とした。

 筆者は当初、これを聞いて「#ギガ活で付与するデータ通信量は対象の店舗やサービスに一部の費用負担を依頼しているのではないか」と考えていた。そうすれば通信料収入が増えなくても、送客費用やプロモーション費用などの形で一定の収益を得られるからだ。

 ところがKDDIによると、データ通信量の付与は今のところKDDIの全額負担という。実際、提携店舗に聞いても「KDDIの全額負担。あくまで協力であり、有料となった場合は費用対効果を踏まえて改めて検討する」との回答だった。さすがにKDDIの全額負担で大盤振る舞いを続けるわけにはいかないはずで、キャンペーン期間中に送客の実績をどれだけ示せるかが勝負となる。

 もう1点、収益の拡大を見込めるとすればコンテンツサービスだ。KDDIは今回、「DAZN使い放題パック(7日間、760円)」「smash.使い放題パック(24時間、220円)」の2種類を用意した。最近では放映権の高騰でサッカー日本代表の2022年ワールドカップ(W杯)カタール大会アジア最終予選のアウェー戦が国内の地上波テレビで放映されないことが話題となった。期間を限定して安く利用できるコンテンツサービスは一定の需要があると見込まれ、あとはラインアップをどれだけ拡充できるかが課題となる。

基本料の月額0円は「価格圧搾」?

 KDDIの渾身(こんしん)の一撃といえそうなpovo2.0だが、唯一気になったのは「基本料の月額0円」の部分である。楽天モバイルが1回線目を対象に月間データ通信量が1ギガバイト以下は無料と打ち出した際には「価格圧搾(市場で強い立場にある事業者が原価を下回るような価格設定で競争環境をゆがめること)」との指摘が出た。しかし同社に市場支配力はなく「第二種指定電気通信設備制度」の規制対象でないことから、総務省の有識者会議でも具体的な議論に発展しなかった。

 翻ってKDDIはどうか。povo2.0は主力の「au」と別ブランドとはいえ、同社携帯電話の契約数シェアは27%近くあり、第二種指定電気通信設備制度の規制対象にもなっている。記事執筆時点では総務省もまだ見解が定まっておらず、「ヒアリングしてみなければ分からない面は残るものの、個人的にはいかがなものか(アウト)との印象」(総務省関係者)といった声が出ている。続けて「(格安スマホ事業者などに通信設備を貸し出す際の)接続料との関係でおかしいとなればKDDIに現行の接続料を変更するか、(povo2.0の)プランを見直してもらうことになる」とした。果たして、どうなるだろうか。