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 米Amazon.com(アマゾン・ドット・コム)が日本で処方薬販売への参入を検討しているーー。2022年9月5日に報じられた同ニュースを受け、筆者が真っ先に思い浮かべたのはNTTドコモである。

 ドコモは今後の成長領域の1つとしてメディカル分野を掲げている。2021年4月にオンライン診療システム大手のメドレーとの資本・業務提携を発表。同年10月にはそのメドレーと共同でオンライン薬局を手掛けるミナカラを買収すると発表した。ドコモ幹部が以前の取材で「アマゾンもここを狙ってくる。いずれ日本に上陸してくるので、やらなければ負けてしまう」と話していたのが印象的だった。ドコモはどう対抗していくのだろうか。

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 冒頭の報道にあったプラットフォームはドコモも実現済み。メドレーが開発したオンライン診療システム「CLINICS」がそれだ。同システムを使えば診療から服薬指導、処方薬の配送までネットで完結できる。CLINICSは現在、ドコモとメドレーの共同運営となっており、ドコモの顧客ID「dアカウント」とも連携してある。

 2022年6月には健康管理アプリ「dヘルスケア」に「dメディカル」と呼ぶ健康・医療ポータルへの動線を設けた。dメディカルには「健康について相談したい」「診察を受けたい」「処方薬を受け取りたい」「市販薬を購入したい」などのメニューが並んでおり、手軽に利用できるようにした。

dメディカルの画面
dメディカルの画面
(画像:NTTドコモ)
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 ドコモの最大の強みは9000万件を超える顧客基盤だ。dヘルスケアも2022年1月にアプリのダウンロード数が累計1000万件を突破し、同分野で国内最大規模を誇る。同アプリはもともと顧客の健康増進を目的に、歩数目標などの健康に関する「ミッション」をクリアすると「dポイント」がもらえるサービスなどを展開してきたが、顧客の医療体験を高めるアプリに変わりつつある。