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通信障害で4回目の行政指導

 もっとも、楽天モバイルの目下の状況は褒められたものではない。基地局展開の遅れで総務省から3回の行政指導を受け、2019年10月に「無料サポータープログラム」の名称で実質的な試験サービスを始めると、直後にトラブルが相次いだ。2019年12月には誤請求が判明。3時間弱の通信障害も引き起こし、総務省から4回目の行政指導を受けた。

 競合他社からは「仮想化技術の採用と、実際のネットワーク構築は全く別の話。基地局の整備はそう簡単ではない」(幹部)と厳しい指摘が出ており、当面は試練の時期が続きそうだ。今や携帯回線は生活に欠かすことのできないライフラインであり、楽天モバイルが新規参入だからといってミスやトラブルは許されない。改めて気持ちを引き締め、万全の体制で本格展開にまい進してもらいたい。

 最後に少し補足しておくと、楽天モバイルの携帯インフラ構築には国内ベンダーも参画している。業界関係者の間では以前から「NEC頼みの状況」とささやかれ、2019年9月の発表会ではアミンCTOがわざわざ名指しで「NECとの提携を誇りに思っている。日本にある最高の能力を使い、日本でエンジニアリングされた」と賛辞を述べていたほどだ。

 楽天は日本での携帯電話事業の立ち上げに成功したあかつきには「日本で作った技術をベースに世界へ展開していく考え」(三木谷会長)。実現はしばらく先かもしれないが、NECは苦労が報われ、海外に攻勢をかける絶好のチャンスとなる可能性がある。足元では「5G減税」の追い風も吹き、NECの注目度ががぜん高まってきた。