全1612文字
PR

スマホのパスワードとお金絡みの“スペアキー”は必須

 では、メモにどんな情報を記しておくべきか?

 必須なのは、メインで使っているスマートフォンや携帯電話、パソコンといった端末のパスワードだ。すべてのデジタル資産につながる最も重要な鍵なので、これをメモしないことには始まらない。

 次にお金関連の情報もできれば盛り込みたい。ネット銀行やネット証券の口座は相続面で重要な要素になるし、葬儀や遺品整理全般の費用を捻出するのに必要な資金になることもある。保険サービスの情報もここに含めていいだろう。第5回で言及したように仮想通貨の資産も同様だ。

 あとは、深く交流している人が多いSNSやブログのアカウント、進行中の仕事のデータの保管場所などのメモを添えておくのもいいだろう。このあたりは人によって重要度が異なってくる。

 ただし記しておくのは、あくまで最重要項目のみにとどめておこう。知らないと家族や仲間が深刻に困ることになりそうなものだけだ。

10分でざっと書いた記入例。内容が伝われば雑な仕上がりで十分だ。
10分でざっと書いた記入例。内容が伝われば雑な仕上がりで十分だ。
(撮影:古田 雄介)
[画像のクリックで拡大表示]

 遺族の立場からデジタル遺品を見ると、「どうでもいいもの」「諦めがつくもの」「諦められないもの」の3種類に分けられる。記しておくべきは最後の「諦められないもの」に関する情報だ。それ以外の情報を充実させるくらいなら、重要な情報のみに絞って更新頻度を半年に1回などに高めるほうがいい。

 端末も、他の端末にバックアップが残っているようなサブ端末なら省いてもいいだろう。定額支払いの有料サービスも、引き落とし先の口座情報さえ家族に伝われば割愛していい。合計で10項目程度に収まるように考えるのがちょうどいいのではないかと思う。

 参考までに、記入例で使っている「デジタル資産メモ」のテンプレートPDFは筆者のホームページ(※)で無料公開している。使っていただければ幸いだ。

古田 雄介(ふるた ゆうすけ)
1977年生まれ。建設業界と葬祭業界を経て2002年にライターへ転職し、テクニカル系の記事執筆と死の周辺の実情調査を進める。「古田雄介のアキバPick UP!」(ITmedia PC USER)、「インターネット跡を濁さず」(d.365)、「ネットと人生」(インプレス シニアガイド)などを連載。著書に「ここが知りたい! デジタル遺品」(技術評論社)、「故人サイト」(社会評論社)、「死とインターネット」などがある。