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 「ロンドン五輪レガシーは失敗だった」。そう語るのは、建築家としてレガシー計画に携わったグラハム・モリソン(Graham Morrison)氏だ。筆者が2003年から12年まで10年近く在籍した英国・ロンドンを拠点とするアライズ・アンド・モリソン・アーキテクツ(Allies and Morrison Architects、以下A&M)の創業者である。ボブ・アライズ(Bob Allies)氏と共に1980年代に設立された同社は、2000年代のEU景気の波に乗り、その後も着実に規模を拡大し続けている。プロジェクトは今や英国や欧州にとどまらず、世界へと広がる。

筆者が入社した当時の在籍スタッフは200人ぐらいだったが、現在は400人に迫る勢いだという(写真:アライズ・アンド・モリソン・アーキテクツ)
筆者が入社した当時の在籍スタッフは200人ぐらいだったが、現在は400人に迫る勢いだという(写真:アライズ・アンド・モリソン・アーキテクツ)
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王立系建築からマスタープランまで手掛ける

 今回はロンドン五輪、そしてレガシー計画に関わっている同社担当者たちの証言を紹介する。

 同社は、詳細なディテールのブリティッシュモダンを代表する建築事務所として英国建築業界で確固たる地位を築いている。代表的な作品にテムズ川沿いのコンサートホール、ロイヤル・フェスティバル・ホール(Royal Festival Hall)改修、グリニッジ天文台にある幾何学形態が特徴的なプラネタリウム(Royal Observatory)など、ロイヤル(Royal、王立)系がある。

 また、規模拡大に伴い、マスタープラン系も積極的に手掛ける。前回紹介した五輪レガシーでもあるストラトフォード(Stratford)地区、今回のインタビューでも言及しているキングス・クロス(Kings Cross)地区(連載5回目で紹介予定)などだ。

テートモダン裏の再開発に先んじてガラスファサードが特徴的な自社ビルを構える。かつて残業して帰るときには危険を感じながら帰っていた地域だったが、再開発によっておしゃれなスーツ姿のオフィスワーカーが闊歩(かっぽ)するエリアへと変化した(写真:山嵜 一也)
テートモダン裏の再開発に先んじてガラスファサードが特徴的な自社ビルを構える。かつて残業して帰るときには危険を感じながら帰っていた地域だったが、再開発によっておしゃれなスーツ姿のオフィスワーカーが闊歩(かっぽ)するエリアへと変化した(写真:山嵜 一也)
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