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 米グーグル(Google)が2020年1月に、クラウドに関する企業向けの施策を相次ぎ発表した。月額160万円からという手厚い有償サポートや、米IBMの独自ハードウエアIBM Power SystemsをGoogle Cloudで利用できるサービスを発表した。前回の本コラムで組織改革を進めていると紹介した同社だが、本気でエンタープライズ市場攻略に向かっているようだ。

 Google Cloudが「プレミアムサポート」を発表したのは2020年1月16日(米国時間)で、顧客の緊急時の問い合わせに対して15分内に応答することや、ユーザー企業がGoogle Cloud Platform(GCP)上に構築したアプリケーションの詳細を理解した専任の担当者によるサポートが受けられることなどが、既存のサポートサービスとの違いなのだという。

 料金も既存のサポートサービスと大きく異なる。既存サービスの料金が月額250ドル(約2万7000円、本番環境の場合)からであるのに対して、プレミアムサポートの支払いは月額1万5000ドル(約160万円)からとなっている。年額15万ドル(約1650万円)の基本料金を月割りで払うほか、GCPの月額利用料の4%を支払う必要があるためだ。

 月額150万円を超える有償サポートはAmazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureも提供済み。緊急時における15分以内での応答といったサービス内容も共通する。むしろGCPは手厚いサポートサービスという点で競合に出遅れていた。今回の発表によってGoogle Cloudはエンタープライズ市場において競合を追いかける体勢がようやく整ったと言えるだろう。

レガシーシステムの巻き取りにも動く

 プレミアムサポートの追加が「ベンダー比較表で欠けていた点を埋める」ものであったのに対して、IBM Power Systemsのサービスは競合にはない、ある意味で「斬新」なものである。こちらは2020年1月14日(米国時間)に発表した。

 IBM Power SystemsはIBM独自のPOWERプロセッサを搭載したサーバーである。GCPはこのIBM Power Systemsをクラウドのサービスとして提供する。OSとしてはIBM版UNIXであるAIXと、ミニコンAS/400の流れをくむIBM i、IBM Power Systems用のLinuxであるLinux on Power Systemsが利用できる。

 グーグルは発表文で、SAPやOracle DatabaseといったミッションクリティカルなワークロードをIBM Power Systems上で稼働しているユーザー企業のクラウド需要を取り込むことが目的だと述べている。エンタープライズ市場を攻略する上では、IBM Power Systemsの需要がまだまだ見逃せないと判断したということだろう。

 先進技術を志向するグーグルとレガシーなIBM Power Systemsとの組み合わせに違和感を覚える読者も少なくないだろうが、実はグーグルとPOWERプロセッサには大きな接点がある。グーグルはPOWERプロセッサを搭載したサーバーを自社で開発して使用しているのだ。

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