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 4週間前、筆者は本コラムの前々回で「みずほ銀行は米Google(グーグル)に学ぶべきだ」と主張した。それから約20日後の2022年3月23日、みずほフィナンシャルグループ(FG)はグーグル・クラウド・ジャパンとの戦略提携を発表した。

 残念ながら、みずほ銀行の内部情報に基づいて筆者が予言した、わけではない。単なる偶然である。筆者は3月17日に発売した『ポストモーテム みずほ銀行システム障害 事後検証報告』を執筆するかたわら、日経クロステック/日経コンピュータで「システム監視の新常識」という特集を書くために、システム監視分野の取材をしていた。

 システム監視の最新常識と照らし合わせると、みずほ銀行のシステム監視はあまりに時代遅れだった。同行の運用に不備があったことを、金融庁も問題視しているため、システム監視の刷新が急務だ。最新のシステム監視技術の源流は、グーグルのSRE(Site Reliability Engineering)にある。そういうロジックで「グーグルを学べ」と述べただけだ。

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 みずほFGによれば同社は、Google CloudのAI(人工知能)技術を活用してデジタルマーケティング施策を刷新したり、Google Cloudを基盤とした新たなプラットフォームを構築することで先進的な金融サービスを実現したりするのだという。

 これだけならば、よくある「クラウドに関する戦略提携」である。パブリッククラウド事業者は、大手企業との複数年契約を結ぶ際に「デジタル変革の支援込み」の戦略提携をよく行う。似た事例としてグーグルは2020年7月、独Deutsche Bank(ドイツ銀行)との複数年契約を発表している。この契約にもAIなどを活用した次世代金融商品の開発支援などが含まれていた。

3メガバンクがはっきり色分け

 みずほFGとグーグルクラウドの発表に先立つ2022年3月9日には、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)と米Microsoft(マイクロソフト)が、クラウド分野における複数年の戦略提携を締結したと発表している。SMFGはMicrosoft Azureを「優先的クラウドプラットフォーム」に選択し、SMFG従業員のデジタルスキル向上などにマイクロソフトが協力するとしている。

 日本のメガバンクによるパブリッククラウド活用といえば、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)によるAWS(Amazon Web Services)の利用が何かと目立っていた。MUFGはAWS、SMFGはMicrosoft Azureとくれば、みずほFGがGoogle Cloudを選ぶのは当然だといえるだろう。