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 グーグルの今回の発表はこうした市民の怒りを和らげ、「グーグルを住民にとっての良き隣人」(ピチャイCEO)にするために行うもの。具体的にはグーグルがこれまでに取得した7億5000万ドル分のオフィス用地を住宅用に転用し、1万5000軒の住宅を建設できるようにする。同社によればシリコンバレーで2018年に新築された住居は3000軒。つまりシリコンバレーにおける5年分の住宅供給をグーグル1社で追加するというのだ。

 グーグルは同時に2億5000万ドルを地元のデベロッパーに対するインセンティブに投じ、低所得者でも入居できるような住居5000軒を市場に供給できるようにするという。このほかグーグルは5000万ドルをホームレス支援のNPOに寄付するという。

アマゾンに対しても地元の反発

 テック企業が雇用を拡大することでオフィスのある地元の不動産価格や家賃が高騰し、地元住民が困窮するという問題は、米アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)が本社機能を急拡大している米シアトルでも発生している。アマゾンが「第2本社」を米ニューヨークに置く計画が撤回に追い込まれたのも、住環境の悪化を懸念する地元住民の反発が大きかったからだ。

 米国の世論はGAFAの動きをもろ手を挙げて歓迎しているわけではない。市場における競争を阻害したり、住民の生活を脅かしたりする存在として苦々しく見始めている。民主党の有力議員であるエリザベス・ウォーレン氏は2020年の米大統領選挙に向けた公約としてGAFAの会社分割を主張している。様々な産業をディスラプション(破壊)しようとするGAFAの進撃を世論がストップすることになるのか。2020年に向けて米世論の動向にますます注目する必要がありそうだ。