総人口で世界1位の中国、これを追って駆け上がる世界2位のインド。経済的な指標を含め、ビジネス機会の広がる有望な国として、日本企業の進出も増え続けてきた。今後、都市改造の面で最前線となり得るポテンシャルを持つ2国の事情を、現地取材を基にリポートする。
「超大国」中国・インドの都市的野心
目次
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中国の巨大図書館が挑むデジタル革新
サービスの自動化で企画やイベントに注力
中国で2013年に開館した「広州図書館」の空間づくりとサービスが注目を集めている。開放的な空間と積み重ねた本をイメージしたファサードデザインが特徴で、設計は日建設計が手掛けた。18年は初年度の2倍以上、年間約839万人が訪れた。来館者の約4分の1は、1日平均12本も開催されるイベントを目的としてい…
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デジタルで躍進、大国インドの「市場」が魅力的である10の理由
人口増加と経済成長が続き、巨大な市場として注目されるインド。現政権のリーダーシップにより、国外からのビジネス進出を阻む要因の解消が進んでいる。特に、デジタルインフラの整備が大きなカギを握っている。その魅力の理由を、10のキーワードで探ってみる。
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上海の副都心差別化、赤レンガ工場を保存しつつ超高層3棟
三菱地所設計が手掛ける産業遺構を核にした再開発
上海市内では、地下鉄網の拡張に伴い、各結節点で副都心開発が盛んだ。駅直結の利便性、巨大な地下空間での効率的な運用、遺構の保存再生など、ハード面での差別化で特徴付けようとする開発業者も多い。「上海融僑中心」は、1950年代に建設された外壁に赤レンガを用いた製鉄工場跡を生かした開発だ。
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未来感あふれるインドの新州都、フォスターらが「デジタルツイン」と共にゼロから建設
インド政府が進める、100都市をスマート化する施策「スマートシティーミッション」は主に、既存の都市問題の解決が主眼になる。そのなかで、近未来的な新都市の建設に着手している場所がある。都市運用のための3次元デジタルプラットフォームを計画段階から同時に構築する壮大なプロジェクトとなる。
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先行する中国TOD、日本の副都心を参考に大胆開発
民間企業が鉄道3社を敷地に引き込み、鉄道を建築で包む
中国国務院は、2016~20年の中国の経済・社会運営方針となる「第13次5カ年計画」の中で、20年までに人口100万人以上の都市の80%を高速鉄道でカバーする、など、交通インフラ整備の目標を掲げ、公共交通の建設を強力に推し進めてきた。主要な大都市間の移動時間は短縮し、交通ネットワークの結び付きが強…
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インドが胸張る「100都市スマート化」政策とデジタルプラットフォーム戦略
急速な経済成長と人口増加により、軋(きし)みをあげる超大国インド。広大な国土を対象に、多文化、多様性を認める都市開発を進めるために現政権は「スマートシティー」の可能性に目を向けた。100都市におけるスマートシティー構築とデジタルインフラ戦略で、数多抱える都市課題の解決を目指す。
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中国追い、都市問題抱えながら駆け上がる巨大成長国インド
総人口で世界1位の中国を追い、2024年にはその数を抜くとされるインド。ビジネス機会の広がる有望な国として、日本企業の進出も増え続けてきた。20世紀の経済大国とは異なるポテンシャルを持ち、今後、都市改造の面で最前線となり得る。現地取材を基に最新事情をリポートする。