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 バブル崩壊後、長らく経営不振に苦しんだ飛島建設がM&Aに積極的に打って出ている。営業エリアと事業領域の拡大を狙い、後継者問題に悩むオーナー経営者から株式を取得して子会社化する形で、2017~18年に2件のM&Aを実行した(図1)。

図1 ■ エリア拡大や新領域への進出にM&Aを活用する飛島建設
図1 ■ エリア拡大や新領域への進出にM&Aを活用する飛島建設
M&Aを担当する飛島建設の高橋光彦執行役員(写真:左は日経コンストラクション、右はノダック)
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 同社が弱かった千葉エリアを強化するため、17年に買収したのが杉田建設興業(千葉市)だ。年商15億円程度の地場建設会社で、千葉では小学校の耐震補強工事などを手掛ける。

 飛島建設でM&Aを担当する高橋光彦執行役員は、「技術提案などで協力し、彼らがこれまで受注できなかった工事に参入できるよう後押しする。飛島の受注が少ない地方の工事はグループで対応したい」と話す。

 創業者が東京・小笠原出身の杉田建設興業は、同地域でトップシェアを握る建設会社でもある。18年に父島の飛行場計画が再浮上するなど、「離島振興で今後も建設需要が見込める」(飛島建設の高橋執行役員)。

 18年には事業領域の拡大を目的に、潜水工事や水質保全事業を手掛けるノダック(大阪府豊中市)とその関連会社を買収した。

 水質保全事業とは、要するに水草の回収。同社は専用の水上施工機械を自ら開発して施工する異色企業だ。最近では「ボートの聖地」として知られる埼玉県の戸田漕艇場で、大量発生した藻を除去する作業を担った。

 実は海外に大きな市場が広がる。水草だけでなく、ごみの回収に使えるからだ。まずはインドネシアの企業と業務提携を結び、ノダックの施工機械を製造委託・販売してもらう予定だ。「特色のある技術を持つ企業があれば、今後もM&Aを考えていく」(飛島建設の高橋執行役員)。