全1968文字

 五月病は、ゴールデンウイーク(GW)明けに発症する病気だ。うつ病に似たもので、気分が沈んだり、無気力になったり、不安や焦りを感じたりする。放っておくと、休み明けに出社できなくなる恐れもある。そこでIT企業などで健康指導を行う保健師の金橋治美氏に、五月病にならないためのGWの過ごし方を聞いた。

最初に現れる症状は「睡眠障害」

 金橋氏によると、五月病として最初に現れる症状は「睡眠障害」。疲れが溜まっているのになかなか寝付けない。逆に朝は体がだるくて起きられない。そんな日が続くと、疲れがどんどん溜まっていき、気分も滅入ってしまうという。

 この4月に入社あるいは異動した人は特に注意が必要かもしれない。新しい環境に慣れるために、これまで強い緊張の中で無理を重ねてきたからだ。金橋氏は「GWまでは緊張感が良い方向に働いていたが、5月に入ると一気に疲労に変わってしまう」と指摘する。

 疲労が溜まれば休息が必要になる。しかし、GWの過ごし方で生活のリズムが返って乱れ、さらに疲労が溜まっていく。そしてGW明けになると「朝起きられない」「会社に行くのが億劫」といった具合に、五月病の症状が次々に現れる。金橋氏はかつて、GW明けに居眠りばかりして会社に居づらくなり、結局退職に追い込まれたエンジニアを見たという。

(出所:123RF)
(出所:123RF)

 では、五月病にならないために、GWにどんな過ごし方をすればよいのか。金橋氏によると、睡眠障害を引き起こす大きな原因は、GW中の睡眠リズムの乱れにある。つまり五月病を防ぐには、睡眠リズムを整えることに尽きる。ただしこれが意外に難しく、金橋氏のアドバイスが参考になる。

夜更かしは「5月4日」まで

 まず前提として、GW中の過度な運動や弾丸旅行のような、疲労が高まる過ごし方は避けたほうがよい。リフレッシュするには十分な休息が必要だ。にもかかわらず、大型連休だからと無理な行動に走れば、体へのダメージが大きくなる。40代や50代になれば、若いころに比べて体力も衰える。GW中は張り切り過ぎず、十分な休息を取るよう心掛けたい。

 次に大事なのは、睡眠のリズムを崩さないよにする行動だ。休み中に一晩中ネットを回遊したり、ゲームを楽しんだり、遅くまで飲んだりするかもしれない。すると、休みを通じてだんだん寝る時間が遅くなり、深夜の3時、4時に寝る生活となる。

 これが睡眠障害につながるわけだ。学生時代ならまだしも、社会人になって生活時間が昼夜逆転すると、GW明けのリカバリーが難しくなる。就寝・起床時間のコントロールは、GW中こそ意識的に行う必要がある。

 金橋氏によると、もし夜更かしをするなら、GWの早いうちはOKだという。なぜならGW後半で、睡眠リズムの修正が可能だからだ。2019年のGWなら、10連休最後の5月5~6日の2日間でリズムを調整すればよい。つまり、夜更かしが可能なのは5月4日の土曜日までだ。