全5523文字
PR

eスポーツでSIEは今後どんなプロモーションを仕掛けていきますか?

植田浩氏
植田浩氏
(写真:栗原克己)
[画像のクリックで拡大表示]

当社は日本eスポーツ連合(JeSU)に加盟しているので、JeSUが制定するルールや規制に準拠し、様々なゲーム大会をサポートします。加えて、すそ野を意識した活動に力を入れたいですね。トップクラスのプロゲーマーたちが競い合う高額賞金大会というよりは、もう一歩手前の大会なども開催して、eスポーツ人口の増加につなげたいと思います。

 グランツーリスモSPORTが国体に採用されたことから、自動車業界とのつながりがより強固になりました。今さまざまな連携のアイデアをいただいています。若者のクルマ離れなど、自動車業界もゲーム業界と似た課題を抱えており、共通の課題の解決に向けて協力できるのでは?と、連携の可能性を日本自動車工業会(JAMA)といろいろ話し合っています。2018年にはJAMAが主催する自動車イベントの会場で、グランツーリスモSPORTの大会を開催しました。このようなコラボを今後も続けていけそうです。クルマが題材のゲームを、実際にクルマがある場所で遊べるのは面白い。また新たな世界が広がりそうです。

「フォートナイト」に根強い人気、新しい遊び方も

既にリリース済みのタイトルの中で注目作を紹介いただけますか。ずっと人気が続いているタイトルや、新しい世界を切り開いたと思えたタイトルなどはありますか?

エピックゲームズの「フォートナイト」
エピックゲームズの「フォートナイト」
新しいゲームの遊び方も切り開いているという。© 2019, Epic Games, Inc.
[画像のクリックで拡大表示]

オンライン対戦アクションゲームの「FORTNITE(フォートナイト)」(米エピック・ゲームズ)の人気ぶりには驚かされますね。基本無料で遊べるFree-to-play(F2P)型のタイトルです。

 F2P型のタイトルは今、日本のユーザーにとても人気があります。携帯ゲーム機「PlayStation Vita」の時代からその傾向には注目していましたが、PS4でも同様の傾向が出てきています。F2P型のタイトルは日本人の国民性に合っているのかもしれません。

SIEの「Marvel's Spider-Man」
SIEの「Marvel's Spider-Man」
© 2018 MARVEL, ©2018 Sony Interactive Entertainment LLC, Developed by Insomniac Games, Inc.
[画像のクリックで拡大表示]

 例えば、「Marvel's Spider-Man(スパイダーマン)」(SIE)のような大型の人気タイトルが登場すると、ユーザーの関心は一定期間、新作に集中します。ところが、新作がリリースされる間のタイミングには、ユーザーは再びフォートナイトに戻っていくといった現象が起きます。

 PS4ではゲームをプレーしながらボイスチャットができますが、フォートナイトのユーザーを見ていると、その使い方が面白い。ゲームでありながらコミュニケーションツールとして機能しているようにも思えます。若い人たちは友達と一緒にフォートナイトをプレーしながら、チャットではゲームとは関係ない雑談を楽しんでいます。ゲームの遊び方が多様化してきているともいえるし、新しいコミュニケーションの形が生まれている気もします。

 他のソフトウエア・メーカーにとっても、フォートナイトの人気ぶりはいい刺激になっているようです。フォートナイトはネットワークを通じた機能やコンテンツの追加を盛んに行っていますが、これはディスクの形でしか販売できなかった時代にはなかった特徴で、完成されたパッケージ型のゲームとはそもそもゲームの作り方が違っているとも聞きます。

 パッケージ型のゲームを作ってきたメーカー各社はくやしい思いもあるはずで、だからこそ、次なるステージに向けて「今度は乗り遅れてなるものか」と意気盛んになっていく。つまりちょうど今、新たなゲームトレンドの始まりに向けた地殻変動のようなことが起きているようです。