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 今回は、部下がなかなか仕事を覚えてくれないという福田リーダー(仮名)からの相談です。

 私は、職場に新しく入ってきた池谷さん(仮名)の教育係です。池谷さんに自分の指示がうまく伝わらず、いつもイライラしています。時間をかけて教えても、何度も同じ間違いをするのです。丁寧に教えているつもりなのですが、全然行動につながりません。「話したことをちゃんと聞いてくれていないのかな」とがっかりしたり、「最近の若い人は……」と思わずため息をついたりしています。池谷さんのフォローに追われて、私自身の業務も進まない状況です。

 部下や後輩を教育する立場になったとき、「自分はろくに教わっていないけど何とかやってきた」「仕事は本来、上司や先輩を見て覚えていくもの」と考えてしまう人も多いのではないでしょうか。職場の新しいメンバーにはぜひ、活躍できる人材になってほしいものです。しかし、指導の方法を誤ると新しいメンバーのモチベーションを大きく下げてしまい、「こんな会社、辞めたい」などと思わせることにもなりかねません。

新人には丁寧に教える

 教えることが下手な上司には、「部下の言い分を聞かずに頭ごなしに考えを押し付ける」「このくらい分かっているだろうと、基本を省いて説明する」「教えるよりもやり方を見させて覚えさせようとする」といった特徴があります。

 うまく教えることができない上司に共通するのは「自分本位」であることです。教え方のうまい人は、相手の理解度を確認しながら進める「相手本位」です。

 これまで、自分が実際にやってきたことであっても、人に教えるとなると全く勝手が違います。新人の教育では、仕事のやり方を丁寧に教えることが基本です。どんなに優れた素質を持っていても、新しい職場に必要な知識やスキルが備わっていなければ、戸惑ってしまうのは当然です。

 最初から放任するのではなく、段階を踏んで丁寧に教えてあげた方が、新人はより早いスピードで知識やスキルを吸収して戦力に育つはずです。

教え方の4段階
教え方の4段階
(作成:日経クロステック)
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教え方の4段階とは

 仕事を教えるときには、「教え方の4段階」を実践することが有効です。

第1段階:習う準備をさせる

第2段階:作業を説明する

第3段階:やらせてみる

第4段階:教えた後でフォローする

 大切なことは、習う側の人はどんなことを疑問に感じているのか、何が分からなくて、何を知りたいと思っているのか、相手の立場に立って、相手に合わせて教えることが大切です。

 教えるときに注意したいのが、相手の理解度です。今から教えようとしていることをどれくらい相手が分かっているかということです。相手の状況によって教えるレベルを変えることができれば、習う側もスムーズに頭に入ってくるでしょう。

 教え終わってから、相手がどれくらい理解できているかについてもしっかりと確認することが必要です。理解度を確認するには行動してもらうことがベストです。