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 今回は、自分にはリーダーシップが足りないのではないかと悩んでいる開発チームリーダー武田さん(仮名)からの相談です。

 私(武田)は、今月から開発チームのリーダーを任されました。チームのメンバーは皆、一生懸命やってくれます。でも、まだ効率が悪い部分もあり、そのフォローをしていると、「甘やかさずにもっと厳しく指導するように」と田中部長(仮名)に叱責されてしまいました。私は、部長とは違って、どんどん指示を与えて部下を引っ張るのが得意ではありません。どうすればよいのでしょうか。

 リーダーシップは、「指導力・統率力」などと表現され、リーダーが目標達成のためにメンバーに対して行動を促す力のことです。チームで成果を上げるためには、リーダーの力だけでは成し得ることはできません。メンバーそれぞれが周りに好影響を与えつつ、自主的に行動する力が求められます。リーダーシップとは、チームを率いる者のみに必要とされるのではなく、全てのビジネスパーソンに必要な力です。

PM理論とは

 リーダーシップにはさまざまな理論があり、その1つに「PM理論」があります。1966年に社会心理学者の三隅二不二(みすみ・じゅうじ)氏が提唱しました。

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 PM理論において、リーダーシップは2つの能力で構成されるとしています。

P=Performance:目標達成機能
目標設定や計画立案、メンバーへの的確な指示により目標を達成しようとする力

M=Maintenance:集団維持能力
メンバー間の人間関係を良好に保ってチームの結束力を維持しようとする力

 この2つの能力の大小によって、4つのスタイルがあるとされています。

PM型:目標設定が明確であり成果を上げられるとともに、チームをまとめる力もある。
Pm型:目標設定は明確で成果を上げることはできるが、チームをまとめる力が弱い。
pM型:チームをまとめる力はあるが、目標設定する力が弱いために成果を出しにくい。
pm型:成果を上げるチームをつくることもチームをまとめることも得意ではない。

 リーダーとして理想のスタイルは、PもMも優れているPM型とされています。日本人は、M行動が強いリーダーシップを取る傾向があると言われていますが、昨今のグローバル時代を生き抜くには、P行動を高めることも大切となります。

 実際の職場では、社内環境や従業員の数など、状況はさまざまであり、求められるリーダーシップは異なります。リーダーシップにはどちらの能力も大切ですが、求められる成果によって、PとMのバランスを考える必要があります。

PM機能を伸ばすには

 PM理論では、リーダーシップはトレーニングにより向上・改善が見込めるとしています。目標達成能力と集団維持能力を高めるポイントについてご紹介します。

[1]目標達成能力を向上させる

 リーダーがチーム全体の目指すべき方向性を理解した上で、チームのミッションや目指すべきゴールを具体化することが必要です。リーダーは自身のビジョンとチームの役割をメンバーに伝えて共有する必要があります。

 メンバーに常にゴールを目指す意識を高く持ってもらうためには、チームのゴールや役割を何度も繰り返し共有し、そこに向かうためにすべきことをかみ砕いて伝える必要があります。

 チームとメンバーの目標を明確にした上で、アクションプランを作って徹底します。リーダーとメンバーが目標達成に向けた一貫した行動を取らなければなりません。そのためには、リーダーはメンバーに行動についてコミット(約束)させたり、定期的に進捗管理を行ったりするようにしていくことが大切です。指導や改善を加えて調整しながら、チームの状態をチェックしていきましょう。