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 今回は、部下が思うように動いてくれないと悩む藤原課長(仮名)からの相談です。

 私は部下の坂本君(仮名)に対して、悩みを抱えています。坂本君には、私の思いや指示がなかなか伝わりません。指示したことに対しての報告も遅く、会議などで発言を求めても、なかなか自分の考えを言ってくれません。指導してはいるのですが、一向に改善されず、イライラが募っています。どのように指導すればよいのでしょうか。

 部下がこちらの気持ちを分かってくれず、思うように動いてくれない。でも、どのようにアプローチしたらよいかが分からない──。こうした悩みを抱えている上司は多いと思います。

 上司が「部下が変わるべきだ」と思っているうちは、部下との関係は改善されません。上司自らが接し方を変えることに意識を向けてみましょう。部下の行動スタイルによって上司が働き掛ける方法を変えることで、適切にアプローチすることができます。

ソーシャルスタイルとは

 ソーシャルスタイルとは、他者から観察できる行動の傾向や習慣のことです。米国の心理学者デビット・メリル氏によって、1960年代に、「ソーシャルスタイル理論」として提唱されました。

 ソーシャルスタイル理論では、行動傾向には、「自己主張度」と「感情表現度」の2つの尺度があります。そして、その組み合わせにより、4つのソーシャルスタイルに分類されます。

[1]ドライビング(Driving)

 自己主張が強く、感情表現を抑える傾向があります。迅速かつ合理的に仕事を進めるタイプです。リーダー気質で、戦略や勝負を好み、指示されるのを嫌います。他者と意見を戦わせることを恐れず、はっきりものを言うことが多いでしょう。プロセスよりも結果を重視し、決断力に優れています。

[2]エクスプレシッブ(Expressive)

 自己主張が強く、感情表現が豊かです。周りから注目されることを好むタイプです。ノリが良く、楽観的で、新しいことにも積極的に取り組みます。自分の意見や思ったことをそのまま口に出すことが多いでしょう。細かいことを気にせず、やってみてから考えようとします。

[3]エミアブル(Amiable)

 感情表現がうまく、聞き役になる傾向があります。自己主張よりも周囲の意見や感情を大切にするタイプです。周囲の気持ちに敏感で、自分の話よりも相手の話に耳を傾ける傾向にあります。いつも明るく、自分のことよりも周りの意見を大切にします。全体の調和を考え、周りからの頼みを断れずに引き受けます。

[4]アナリティカル(Analytical)

 自分の感情を抑え、相手の意見に耳を傾けます。周囲を観察したり、分析したりすることが得意なタイプです。立てた計画は、慎重に検討してから実行します。話を論理的に組み立てて、他の人が気づかない点を指摘できます。決められた仕事を1つひとつきっちりと終えていくことを好みます。

 部下がどのスタイルに当てはまるのかを見極めて、相手に合わせたアプローチをしていくことがポイントになります。

ソーシャルスタイル理論
ソーシャルスタイル理論
(作成:日経クロステック)
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