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 今回は、部下が仕事の手際が悪いと悩んでいる望月課長(仮名)からの相談です。

 私は、3年目の井上さん(仮名)にはチームの中心として、仕事を効率的にこなしてほしいと考えています。

望月課長(私):「先週お願いした報告書はできた?」

井上さん:「できました」

望月課長:「うーん、どうもイメージが違うなあ。グラフを使うようには話したけど、これでは何を伝えたいのか分からないよ。もっと趣旨が明確に伝わるように直さないと……」

 私は井上さんに「もっと手早く仕事をこなせるようになってほしい」と思っています。でも井上さんは仕事のやり直しが多く、完了するまでに時間がかかってしまいます。どのように指導すれば、もっと手際よく仕事を進められるようになるのでしょうか。

 指示された仕事をやっと完了させて提出すると、リーダーから「思っていたものとは違うな」「このようにしてほしかったんだ」と言われて、差し戻された経験があるのではないでしょうか。

 仕事が非効率になる主な要因に「仕事の手戻り」があります。手戻りとは、ある仕事を行った後に、何らかの理由でそれをやり直すことです。

 計画的に仕事を進めていたつもりでも、仕事の手戻りが頻発してしまうと、新たに取り掛かった別の仕事を止めてすぐに修正しなければなりません。そうすると、いつまでたっても仕事が終わらない→いつも時間的な余裕がない→他の業務に支障が出て遅れるといった悪循環に陥り、精神的なストレスが生じることにもなります。

 手戻りの頻度を減らし、たとえ発生してもダメージを最小限に食い止めることが大切です。

手戻りが起きる理由

 手戻りが発生する主な原因は、成果物のイメージが共有できていないことです。リーダーが仕事を指示するときに、メンバーと「成果物のイメージ」を合わせず、完成までの計画を確認することがなければどうなるでしょうか。メンバーは自分のやり方とペースで突っ走り、期限ぎりぎりに提出。メンバーは「これだけやったのだから大丈夫」と思っていたとしても、リーダーの期待するものに合っていなければ、ダメ出しされることになります。その結果、またやり直さなければならないという事態に陥ります。

 リーダーとメンバーの間で、仕事の完了状態のイメージが合っていなければ、意識・認識のずれが起こり、手戻りを発生させる大きな要因となるのです。

手戻りを減らす方法
手戻りを減らす方法
ダメージが生じても最小に抑えられる(作成:日経クロステック)
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