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 今回は、部下が自分で考えようとしないと悩む木田マネージャー(仮名)からの相談です。

 私のチームのメンバーは、言われたことはやるのですが、自分で考えて行動できません。顧客や社内の他部門から頼まれた仕事を、十分に確認せずにそのまま実行します。「例えば、こんなふうにやったらどうだ」とアドバイスをしたら、そのまま何の工夫もなく、言われた通りにやるだけ。1つのことを依頼したら、当然「次の手」を打っているかと思っていたら、頼んだことだけをやって、それで終わったと思っているのです。「少しは自分の頭で考えてみたらどうなんだ!」と言いたくなってしまいます。メンバーが自ら考えて行動できるようになるためには、どのように指導すればよいでしょうか。

 指示されたことを、ただそのまま実行に移すだけのメンバー。そうしたメンバーに考える習慣をつけてほしいと思い、「言われたことだけではなく、自分の頭で考えて仕事をしなさい!」 と、きつい言葉を投げ付けた経験があるリーダーは少なくないのではないでしょうか。

 「考える」 ということは、「投げる」「走る」などの行為とは違って、目に見えるものではありません。目に見える行為であれば、リーダーが自らの体を使って伝えることができます。考えるという行為は目に見えないので、いくら「自分の頭で考えなさい」とメンバーに言葉で伝えたとしたとしても、自分の頭で考えるという概念そのものが、うまく理解できていない可能性があります。では、どうすればうまくメンバーに伝えることができるのでしょうか。

Why型思考の部下を育成するポイント
Why型思考の部下を育成するポイント
(出所:日経クロステック)
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目的と原因を意識させる

 「考えて仕事をする」とは、どういうことでしょうか。リーダーの指示や依頼に対して考えて仕事をするとは、指示や依頼の背景にある目的や原因に思いを巡らせて行動することです。逆に、考えずに仕事をするということは、直接的に言われたことをそのまま実行するだけで、その背景を見ようとしない行動といえます。

 目的を明らかにするためには「なぜこれをやるのか?」、原因を明確にするためには「なぜこうなったのか?」といった質問を自らに対してぶつけていかなければなりません。考えて仕事をするためには、 聞いたことや見たことに対して、「なぜ?(Why)」を常に自らに問い掛ける「Why型思考」が必要になります。