今年からリーダーを任された松本さん(仮名)は、会議の運営が苦手で困っています。
チームリーダーになってから、会議の運営を任されることが多くなりました。しかし、時間が取られる割には、あまり活発な議論がされずに、結局何が決まったのかもよく分からないことがあります。さらに会議のための資料づくりや根回しで、膨大な時間を取られています。何とかこれを改善できないかと思っているのですが、何か良い方法はないでしょうか。
仕事をしていると、たくさんの会議に参加することになります。会議が始まって皆で話し始めると、いつの間にか話がずれて、何を話していたのか分からなくなったり、会議が終わったときに何のための会議だったのかと思ったりすることはないでしょうか。
これは、会議の前の段取りがうまくいっていないからです。この会議はどういう目的で、どういう成果を出すのかを最初に共有する必要があります。
会議では、参加者に活発に議論してもらい、ベストな決定をしたいものです。会議を適切にデザインすると、見違えるほど効率的に進むようになります。最近のオンライン会議では受け身になる人が増えてしまう、という課題があります。対面での会議以上に、「議論」や「意思決定」を効果的に行なえるように準備する必要があります。
OARR(オール)とは
米国のコンサルタントであるD・シベット氏が考案した、OARR(オール)という会議や研修を円滑に進めるためのフレームワークがあります。会議の参加者全員がオールを持って船を漕(こ)ぐイメージから、そう名付けられました。
[1]Outcome(アウトカム):目標・ゴール
[2]Agenda(アジェンダ):議題・スケジュール
[3]Role(ロール):役割
[4]Rule(ルール):約束・規則
OARRは本来、会議の主催者が事前に考えておくもので、OARRを会議前に決めておくと、よりスムーズな会議運営ができるようになります。会議の冒頭で、参加者の同意を得るのがオーソドックスなやり方です。議論に入る前のセレモニーとして、習慣にしておくとよいでしょう。