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 営業部の雨宮部長(仮名)は、最近社内の部門間の風通しが良くないと考えています。

営業:「お客様の要求だから、何としてもこの納期に間に合わせてほしいんですけど」
製造:「部品の調達や人の手配が必要です。今すぐ造れと言われてもできません」
営業:「お客様が欲しいと言っているんだから、調整するのが製造部の仕事でしょう」
製造:「お客様に、きちんと納期を守った発注をするように営業から言ってください」
営業:「そんなことは言えない、何とかしてくれ!」
製造:「こんな納期は無理。製造として責任が持てません!」

 このような言い争いが続いています。このままでは、結果的に本来の業務が非効率になり、お客様にも迷惑をかけてしまいます。部門間の連携をもっとスムーズにする良い方法はないでしょうか。

 会社では複数の部門が連携して業務を行っています。部門間の連携がうまくいかなくて悩んでいる人は少なくないはずです。

 組織が大きくなると、機能ごとに組織を細分化して効率が上がるようにします。すると、各部門がプロフェッショナルとして専門性を高めることになります。各部門や個人が専門性を高めることは、決して悪いことではありません。一方で、自らの職務に専念するあまり、視野が狭くなって自部門の職務以外への関心が薄れ、専門外の仕事を避けようとする状態になりがちです。

 会社の主な仕事はさまざまな部門を横断して流れていきますが、組織の細分化に合わせて業務が分断されてしまうと、部分最適化することになります。限られた範囲で同質化することになり、異質な情報が減ってアイデアが限定されるのです。

 部門間の連携を高めようと何度かチャレンジしたもののうまくいかず、何とか業務が回っているならそのままでよい、と放置しがちになるのです。こうなると、会社全体としては非効率に陥り、成果が出ずに衰退していくことになりかねません。

部門間の連携強化の方法
部門間の連携強化の方法
(作成:日経クロステック)
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部門間の連携が大切な理由

 部門間の連携がうまくできていないと、互いに何を考えているのか、何を目標としているのかが見えなくなります。1つひとつの部門ごとに見れば優秀であっても、連携ができていなければ、本来出せるはすの力が大きくそがれてしまいます。

 例えば、営業部門が「もっと売りやすい安い新商品が欲しい」と考えている一方で、開発部門は「性能を高めて技術力をアピールできる商品を開発しよう」と目指しているケースです。双方の間には大きなギャップがあり、議論がかみ合うはずはありません。各部門が違う方向を見て仕事をしていれば連携どころか対立が生まれ、会社全体にも悪い影響を与えることになってしまいます。

 部門間の連携がうまくいっていれば、営業部門が望む商品と生産部門が開発したい商品企画のすり合わせが行われ、より良い商品を造るために、互いに知恵を出し合って協力することができます。

 例えば、営業部門が顧客のニーズをヒアリングするときには開発部門が同行したり、開発部門と営業部門が商品のセールスポイントをすり合わせたりするなど、連携を取りながら互いに支援し合う活動ができます。

 こうした良いサイクルが生まれれば、信頼関係が高まって一体感も生まれます。結果的に会社の生産性が向上し、業績も期待できるはずです。