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 大谷チームリーダー(仮名)は、チームの状況がよく見えないことに不安を感じています。

 最近はリモートワークが増え、会議もオンライン会議、やり取りもメールやチャットが中心となって、リアルの対話がめっきり少なくなってしまいました。「チームはうまく連携できているのだろうか」「ブレーンストーミングでアイデアを出し合うことも難しい」「メンバーはいま何を考えているだろうか」「チームのパフォーマンスやメンバーのコンディションはどんな状態なのか」──。こうしたことが見えにくくなってしまって、とても不安です。こんな状況で、チームをうまくマネジメントできるのでしょうか。

 チームビルディングは、チームをマネジメントしている人やチームの中で働く人にとって必須のテーマです。チームとは、共通目的に向かって協働する人の集まりであり、チームが最大の成果を上げられるように機能させるためには、次の3つが大切です。

[1]明確なビジョン・目標

[2]共有された仕事の進め方

[3]特性・多様性を生かし合える人間関係

 どんなチームもビジョンと目標が共有されることで存在しています。チームやメンバーの状況が見えなくなっているのは、コミュニケーションの量が少なくなっていることが本質的な課題であり、その上で、目指すゴールが明確になっているかどうかを確認する必要があります。

 コミュニケーションの量を増やすためには、会議の回数を増やしたり、「1 on 1(1対1の面談)」の頻度を増やしたり、会議とは別に雑談の時間をつくったりするなど、対話の場を意図的に増やすことが必要です。これはリモートワークでも同じです。

 コミュニケーションは1度やって終わりというものではなく、日常的に組織のあちこちで頻度高く行われている必要があります。その上で、ゴールの明確化とそれに向けた合意形成が必要になります。

 ここで役立つものに、「GRPI(グリッピー)モデル」があります。

GRPIモデル
GRPIモデル
(作成:日経クロステック)
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GRPIモデルとは

 GRPIモデルとは、米国の組織開発コンサルタントであるベックハード氏が提唱した、健全な組織をつくるためのフレームワークです。チームビルディングを進めるときには、次の4つの要素が機能しているかどうかを上から順番に見ていきます。

[1]目標(Goal):ゴール・目標は明確でメンバー全員が共有しているか
[2]役割(Role):メンバーの役割・責任分担に問題はないか
[3]手順(Process):目標を達成するための手順が明確になっているか
[4]関係性(Interaction):メンバー間の信頼関係はオープンで柔軟か

 組織は、ある目標を達成するために人が集まった集団です。まずゴールとなる[1]目標が明確で、それらがメンバー全員に共有されているかどうかが、最も重要なポイントといえます。

 目標を達成するためには、メンバーの[2]役割(責任分担)が決まっている必要があります。それが共有されていなければ、組織としての動きが取れなくなります。

 加えて、目標を達成するための[3]手順が明確になっていなければなりません。メンバーがバラバラに行動していたら、効率的な組織としての動きにはつながりません。

 こうした目標・役割・手順の3つの要素のベースとなるのがメンバーの相互関係、すなわち[4]関係性です。メンバー同士が信頼し、互いの協力関係がなければ、組織としての機能は発揮できません。従って、メンバー同士の人間関係やコミュニケーションの状況まで把握しておく必要があります。