全2415文字
PR

 リーダーの青島さん(仮名)は、今年中途で入社した部下の浅田さん(仮名)の対応に手を焼いています。

 浅田さんは、どんな仕事に対しても、単にこなすだけで言われたことしかしません。私だけではなく、他のメンバーも浅田さんのやる気のなさを感じていました。私はこのままではいけないと思い、何とか改善してもらおうとしました。例えば、やる気が出ないのは「なぜこの仕事をするのか分からない」からかもしれないと思い、仕事の指示をするときに仕事の目的を丁寧に説明しました。でも、さっぱり効果がありません。「上司から言われて動くのではなく、自分で課題を見つけて動いてほしい」と思っているのですが……。私は、どのように浅田さんを指導していけばよいのでしょうか。

 メンバーがなかなかやる気を出してくれない。自発的行動を促すためにどのように指導すればよいか分からない。これらは管理職に多い悩みではないでしょうか。

 部下が「この仕事をすることは、自分にとってメリットだ」と感じて行動するように動機付けるためにはどうすればよいのでしょうか。動機付けとは、人が目的や目標に向かって行動を起こして達成するまで、その行動を持続させることです。動機付けには「外発的動機付け」と「内発的動機付け」の2種類があります。

内発的動機付けにつなげるコツ
内発的動機付けにつなげるコツ
(作成:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

外発的動機付けと内発的動機付け

 外発的動機付けとは、報酬や評価、罰則や懲罰などの外部からの働き掛けによる動機付けです。例えば、「収入を今よりアップしたいから働く」「上司に叱られたくないから働く」といった状態です。

 行動のゴールが明確で分かりやすいため、短期間で効果が表れやすいという特徴があります。半面、「効果が長続きしない」「仕事そのものの価値や貢献度を高めにくい」などのデメリットもあります。

 内発的動機付けは、本人の内なる欲求から生まれる動機付けです。例えば、「仕事そのものにやりがいを感じている」「自分が成長している実感がある」など、自ら進んで行動する状態です。

 高い集中力が発揮され、質の高い行動を自ら進んで長く続けられる特徴があります。一方で、内側から湧いてくるものなので、外から動かすことが困難な側面があります。

 外発的動機付けと内発的動機付けは、排他的なものではありません。互いに影響しながら、作用していく相関関係にあるものといえます。例えば、最初は上司に言われて嫌々ながら取り組んでいた仕事でも、仕事を進めていくうちに、楽しみや満足感を感じるようになり、自ら進んで課題に取り組んでいくようになることもあります。興味のなかった仕事でも取り組んでいくことで、仕事自体の面白さを発見し、内発的動機付けがされていくのです。