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 山田リーダー(仮名)の率いる営業企画チームは、若手中心のメンバーです。メンバーにはもっと自由に発想し、どんどんアイデアを出してほしいと考えています。

 企画という仕事では「他の人が思いつかないような斬新なアイデアを出す発想力」、「それによってイノベーションを起こそうとする変革力」、「既存の物事を組み合わせて新たな展開をつくり出す応用力」が必要不可欠だと思っています。でも、今のメンバーには「これまでにない新しいことを考えて挑戦しよう」とするマインドがいまひとつ欠けているのです。これからは若手にもどんどん仕事を任せていきたいと思っているのですが……。メンバーのマインドを変えるためには、どうすればよいでしょうか。

 昨今は先行きが不透明な時代であり、確実なものは存在しません。従来通りの当たり前は通用しなくなっています。企業では、固定観念や既成概念にとらわれない発想ができる人材が強く求められています。変化に適応しつつ、枠にはまらずに自由で斬新なアイデアを生み出すことができる人材は、企業が市場競争力を維持するためには不可欠だといえます。

 そのようなとき、「ラテラルシンキング」によって思考の前提を取り払い、新しい視点から課題に取り組むことで、今までにない思考やイノベーションが生まれる可能性があります。

ラテラルシンキングのポイント
ラテラルシンキングのポイント
(作成:日経クロステック)
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ラテラルシンキングとは

 ラテラルシンキング(Lateral thinking)とは、直訳すると「水平思考」という意味で、固定観念や既成概念にこだわらず、物事を多角的に観察して新しい発想を生み出す思考法です。1967年にマルタのエドワード・デボノ氏が提唱しました。

 常識を疑って直感的な発想をしたり、偶然を何かのチャンスに変えられないかといった視点で考えを深めたりして、斬新でユニークなアイデアや発想を行います。閉塞的な状況を打破できる新しい発想やイノベーションが必要とされる時代において、ラテラルシンキングは、ビジネスで最も必要とされる能力だと言われています。

ラテラルシンキングの特徴

 代表的な思考法にロジカルシンキングやクリティカルシンキングがありますが、ラテラルシンキングとの違いを考えてみましょう。

  • ロジカルシンキングとの違いは「前提の捉え方」

 ロジカルシンキングは垂直思考とも呼ばれます。前提を基に筋道を立て、筋道が一貫して通っている論理を構築して、深く掘り下げながら考えていきます。前提の置き方次第で結論が変わります。理論通り順番に考えることで、誰もが同じ結論に達することができる思考法ですが、結論が画一的になってしまう場合があります。

 ラテラルシンキングでは前提そのものを見直し、自由な発想で創造的な問題解決を図るため、結論は1つではありません。思考の前提を取り払い、新しい視点から課題に取り組むことで、従来にない思考やイノベーションが生まれる可能性があります。

  • クリティカルシンキングとの違いは「思考の前提と過程」

 クリティカルシンキングは批判的思考と呼ばれ、思考する前提や過程に疑問を投げ掛けて、「本当に正しいのか」と問い続けて思考します。主観や感情などにとらわれずに物事を見極めたり、意思決定したりするときに有効に活用できます。

 ラテラルシンキングは思考の前提となる既成概念や常識の枠を外し、思考を広げるために多角的にとらえて自由に発想していきます。従来にない新しい発想や創造的な問題解決に向けて思考を展開していきます。ラテラルシンキングは、ロジカルシンキングやクリティカルシンキングと、相互に補完する関係にあります。