生産管理部の赤城チームリーダー(仮名)からの相談です。
先日、部下の発注ミスがありました。すぐに相談してくれていれば対処できたのですが、結果的に生産が大幅に遅れて、会社として大きな損失を出してしまいました。私は「どうして、こんなことになる前に相談に来ないんだ!」と、思わず感情的になってしまいました。早い段階で困っていることは相談するようにいつも言っているのですが、なかなか聞いてくれません。どのように部下と接していけばよいでしょうか。
部下が相談に来ないと悩んでいる上司の中には、自分が部下から話し掛けにくい上司であることに気づいていないケースがあります。部下が相談しにくいと感じる上司には、「余裕がなく、いつも忙しそう」「話した後の反応が冷たい」「話を聞いてもらえなさそう」などと部下に感じさせてしまう特徴があります。
部下も困ったことは早く相談したいはずです。しかし、上司に相談しても親身になって聞いてもらえないのなら話す意味がないと思ってしまい、積極的に話そうという気にはならないでしょう。
職場でよく相談を受けるタイプの人を観察すると、「話し掛けられたときに、嫌な顔をせずに応じる」「聞き返すときに、詰問するような言い方をしない」「相手の話を丁寧に最後まで聞いている」など、話し掛けるほうがおっくうにならないような対応をしているはずです。
では、部下から話し掛けやすい上司になる方法について考えてみましょう。
話し掛けにくい上司と思われるデメリット
話し掛けにくい上司と思われてしまうと部下との連携がうまくいかず、ミスやトラブルの発生につながって業務に支障を来す場合があります。
[1]トラブルが発生するリスクが高まる
必要なときに部下から情報が上がってこないとトラブル発生の可能性が高くなります。事前に問題の予兆に気づくことができなかったり問題への対応が遅れてしまったりすることで、リカバリーが難しくなってしまいます。
[2]部下との信頼関係が築けない
相談しにくい上司は、部下からの信頼が得られにくくなります。互いの信頼関係が不十分であれば、目標を共有しても部下が行動を起こさなかったり、上司からの指示やアドバイスが伝わらなかったりといったことが起こってしまいます。
[3]職場の雰囲気が悪くなる
話し掛けにくい上司は、態度が冷たく部下に無関心と見られていたり、話を聞いてくれないといった印象を与えていたりする場合が多いといえます。そうした上司の態度を見て、部下自身が自分の同僚や後輩に対しても同じような態度を取ってしまうことが少なくありません。他人に冷たく無関心な人が多くなると、職場の雰囲気も悪くなってしまいます。
上司の態度次第で職場の雰囲気が変わってしまうことを意識しておく必要があります。