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 「緊急時のためだけに車内カメラを搭載するのはもったいない。普段の運転中に恩恵を受けられる機能を模索中だ」。ある自動車メーカーのHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)開発者は明かす。

 乗員や車内の様子を監視する車内カメラ。特集の第1回で説明したように標準搭載の機運が高まっているが、使い道は緊急時の安全対策に限らない。快適性の向上や安心の確保といった領域に活躍の場を広げつつある。

 参考になるのが、前方監視用カメラの普及だ。今では軽自動車にも搭載されるようになった(図1)。当初は緊急時の自動ブレーキ機能しか無かったが、先行車追従(ACC)や車線中央維持など、日常の運転で利便性を実感できる機能の採用を機に一気に導入が進んだ。

図1 日産自動車の軽自動車「デイズ」は「レベル2」の自動運転に対応
図1 日産自動車の軽自動車「デイズ」は「レベル2」の自動運転に対応
安全運転支援システム「プロパイロット」を搭載した。渋滞時に対応するACC(先行車追従)や、車線の中央を維持した走行ができる。(出所:日産自動車)
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率先して動いたスバル

 車内カメラで認識できる項目は多い。日常の運転で利用価値が高いのが、個人認証や感情推定である。手の動きを認識するジェスチャー入力装置としても使える。こうした認識データを組み合わせれば、「乗員の好みに合わせた車内空間を実現可能」(先のHMI開発者)だ。

 車内に残る子供や忘れ物を検知し、警告する機能の開発も進む。万が一、車両を盗難された場合には、犯人を記録しておくといった使い方も検討されている。

 快適性の向上という観点で、いち早く車内カメラに着目したのがSUBARU(スバル)である。2018年に発売したSUV「フォレスター」に続いて、2019年2月に全面改良を発表した「レガシィ」にも車内カメラを搭載した。

 スバルは、事前登録した運転者を識別し、座席位置やドアミラーの角度、エアコン設定などを自動で調整する機能を、フォレスターに「世界で初めて」(スバル)搭載した(図2)。1台の車両に最大5人まで登録できる。当然、車内カメラは緊急時への備えにも使う。システムが脇見運転を検知すると、警告音と共にメーターに警告を表示する。

図2 個人を認識して座席位置などを自動調整
図2 個人を認識して座席位置などを自動調整
運転者を赤外線カメラで識別し、座席の位置やドアミラーの角度、エアコン設定などを自動で調整する。スバルの資料を基に日経Automotiveが作成。
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