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別のWindows環境へWSL環境の移行が容易に

 Windows 10では、Windows側からWSLを管理するツールとして「wsl.exe」と「wslconfig.exe」が用意されている。May 2019 Updateでは、これらのツールで機能強化や変更があった。

 wsl.exeでは、以下の機能が追加された。

WSL管理ツール「wsl.exe」に追加された機能
追加された機能概要
「--user, -u」オプション指定したユーザーとしてコマンドを実行
「--export」オプション対象のWSLディストリビューションをtarファイルにエクスポート
「--import」オプション対象のtarファイルを新しいディストリビューションとしてWSLにインポート

 「--export」や「--import」のオプションを使うと、WSL環境を別のWindows環境へ容易に移行できる。パソコンを買い替えた際などに便利だろう。

 wslconfig.exeには機能の強化はなく、一部のコマンドがwsl.exeに移行された。wslconfig.exeで使えなくなったコマンドがある場合は、wsl.exeのコマンドとして使えないかを確認してみよう。

メモ帳の文字コードのデフォルトがUTF-8に

 OS標準搭載のシンプルなエディターである「メモ帳」では、機能追加とデフォルト設定の変更があった。

 前者は、メモ帳のファイル保存オプションの文字コードに「BOM(バイト・オーダー・マーク)なしのUTF-8」が追加された。

 後者は、新規ファイル作成時の文字コードがデフォルト設定でBOMなしのUTF-8を選択するようになった。メモ帳でテキストファイルを作成した際、何も設定しないとBOMなしのUTF-8で保存する。これまで日本語Windowsでは、デフォルト設定の文字コードが「Shift-JIS」だった。

メモ帳のファイル保存画面。上がアップデート前で下がアップデート後。文字コードの欄が「ANSI(日本語WindowsではShift-JISのこと)」から「UTF-8」に変わっている
メモ帳のファイル保存画面。上がアップデート前で下がアップデート後。文字コードの欄が「ANSI(日本語WindowsではShift-JISのこと)」から「UTF-8」に変わっている
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 最近のWebアプリケーションやクラウドサービスの多くは、デフォルト設定の文字コードにBOMなしのUTF-8を採用している。May 2019 Update以前は、メモ帳で作成したテキストファイルをクラウドストレージなどにアップロードすると、日本語が文字化けしてしまうことがあった。

 同様にLinuxのエディターも、デフォルト設定の文字コードがBOMなしのUTF-8である場合が多い。Windowsのメモ帳で作成したファイルをLinuxのエディターで開くと、やはり日本語が文字化けしてしまうことがあった。

 こうした文字化けの原因は、メモ帳で作成したファイルの文字コードがShift-JISだったからだ。今回の機能追加と変更により、文字化けを回避しやすくなるはずだ。