今、スポーツの世界で「革命」とも言うべき新たな取り組みが次々に誕生している。一昔前なら試合での選手のパフォーマンスをデータ化して戦術構築に活用するのはプロの専売特許だったが、最近では一般アスリートでも「見える化」が簡単にできるようになった。プロの世界では一歩進んで、選手に関するデータをクラウドに蓄積してビッグデータ化することで、フィットネスや疲労度を診断するサービスも徐々に浸透している。スマートフォンやAI、IoTといったITを核にしたイノベーションは、競技やトレーニングのみならず、テレビを主役としてきた観戦の常識をも変えようとしている。スポーツ界で起きているIT革命にスポットライトを当てる。
スポーツIT革命の衝撃
目次
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世界初、試合の自由視点映像を有料配信 日本バレーボール協会
スポーツ界で世界初となる自由視点映像の有料配信サービスが始まった。自由視点映像の技術や配信サービスを開発するベンチャー企業のAMATELUS(アマテラス、東京・渋谷)は2022年1月28日、21年12月に開催されたバレーボール大会「令和3年度天皇杯・皇后杯全日本選手権大会ファイナルラウンド」の試合…
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40gセンサー使ってランナーをコーチング、カシオとアシックスが共創
カシオ計算機とアシックスは、ランナー向けのパーソナルコーチングサービス「Runmetrix(ランメトリックス)」を2021年3月4日に開始した。共同開発したモーションセンサーを装着してランニングすると、同センサーが走りの特徴について20種類以上の指標に基づくデータを算出。
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メンタル可視化でパフォーマンス改善、J2クラブの挑戦
フィジカルデータを可視化してトレーニングに応用したりコンディショニングに活かすことはスポーツ現場で当たり前になっているが、ことメンタルにおいてはデータの可視化や取得、管理は難しく、感覚的に対応するしかすべがない時期が続いていた。
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スマホで採寸のBodygram、3Dアバターでフィットネスに展開へ
スマートフォン(スマホ)で撮影した画像から身体を採寸する技術を提供する米Bodygram(ボディグラム)の日本法人Bodygram Japanは2021年2月10日、同社が提供するアプリ「Bodygram」に3Dアバターによる体形トラッキング機能を追加した。これまでは推定採寸した24カ所の部位のデ…
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目指すはオープンなケガデータベースの構築、Bリーグ川崎
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、スポーツ組織の経営面だけではなく、選手のコンディションやフィジカル管理の現場にも大きな影響を与えている。従来、トレーナーやフィジカルコーチは選手と密に接触しながら身体状況を把握し、ケアやケガ予防を行ってきた。
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ソニーの追跡システムが大リーグ全球場制覇、ボールも選手も丸裸
ソニー傘下の英Hawk-Eye Innovations(ホークアイ・イノベーションズ)が展開するスポーツ向けのトラッキング(追跡)システム「Hawk-Eye(ホークアイ)」が、活躍の舞台を広げている。米プロ野球のMLB(メジャーリーグベースボール)では、全30球団のスタジアムなどに導入され、7月に…
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早大ラグビー部、11年ぶり大学選手権優勝の裏に「アスリートモニタリング」
2020年1月11日に決勝が行われた「第56回全国大学ラグビーフットボール選手権大会」で、11年ぶりの優勝を飾った早稲田大学ラグビー蹴球部。久々の優勝の裏には、経験や勘に頼らない客観指標を用いたコンディション管理があった。
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AIの力で世界から“金の卵”発掘、NBA担当者が語る野望
米国の4大スポーツの中でも、テクノロジーを活用した若年層のファン獲得など新しい取り組みに定評がある男子プロバスケットボールNBA(ナショナル・バスケットボール・アソシエーション)。2020年3月6日には、AI(人工知能)を活用したバスケットボールのトレーニングアプリ「HomeCourt」を提供する…
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スマホで体形が丸裸に、「体重計超える指標」目指すサイズテック
Bodygram CEO インタビュー(下)
ZOZOSUITをはじめとしてアパレル業界で盛り上がった「サイズテック」。実はフィットネス業界や美容業界でも熱い視線を集めている。米シリコンバレー発のサイズテック企業ボディグラム(Bodygram)の日本法人Bodygram Japanはフィットネス領域への参入を発表し、アンバサダーに競泳オリンピ…
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シリコンバレー発のサイズテック、2万超の身体データを武器にフィットネス参入
Bodygram CEO インタビュー(上)
スマートフォン(スマホ)で撮影した画像から採寸する技術「Bodygram」を提供する米ボディグラム(Bodygram)の日本法人Bodygram Japanは、フィットネス領域へ参入すると発表した。まずは競泳オリンピックメダリストでフィットネスジム「CrossFit」でトレーナーも務める松田丈志氏…
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大坂選手の女子テニスツアー、SAPのラリー分析で一歩先行くデータ活用
プロスポーツの世界では、選手やボールの動きをトラッキングして可視化することはもはや当たり前の状況になっている。しかし、取得したリアルタイムのプレーデータを試合中に活用して、戦術変更などが行われている競技はまだ少ない。
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着て投げるだけでフォーム解析、アシックスと東大発ベンチャーが「お手軽モーキャプ」
開発した投球動作解析用のシャツには、歪みセンサーが左右7カ所、合計14カ所がPCFで形成され、さらに背中にモーションセンサー(加速度と角速度の6軸)を1個搭載する。モーションセンサーはBluetoothの通信機能を有するコントローラー内に格納されている。コントローラーは歪みセンサーやモーションセン…
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ラグビーW杯映像制作の裏側 NHKは8K、キヤノンは自由視点
瞬間最高視聴率が50%を超えるなど、空前の盛り上がりを見せた「ラグビーワールドカップ2019日本大会」。その舞台裏では、さまざまな先端テクノロジーが導入された。
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NTTぷららの「Tリーグ」ダイジェスト番組、制作はソニーのAI
ソニービジネスソリューションは、2019年11月13~15日に開催の「2019年国際放送機器展(Inter BEE 2019)」(幕張メッセ)で、映像制作におけるAI(人工知能)の活用事例を紹介している。
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疲労を数値化してケガ予防、NECがAIでスポーツベンチャーと未踏の挑戦
「人間に関わるデータは、普段扱っている工場のIoTなどのデータと比べてばらつきが大きく、相関が見出しにくいこともある。それでも、この領域に向けたAI(人工知能)の開発は、今後、ヘルスケアやウエルネスなど健康ビジネスに展開するための入り口になる」(NEC AIプラットフォーム事業部エキスパートの藤生…
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観戦の新体験やモーショントラッキング…Bリーグ×富士通が仕掛ける新機軸
4年目のシーズンが始まったBリーグ。今シーズンも数々の施策を展開し、熱狂を生み出すことが予想されている。そんなBリーグをテクノロジーの側面から支えているのは、日本を代表するICT(情報通信技術)企業である富士通だ。
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「データ駆動型社会」はスポーツをどう変えるか
様々なスマートデバイスの普及とテクノロジーのコモディティー化に伴い、誰もが簡単にデータを収集・分析できる時代が訪れている。データなくしてはビジネスで、そしてスポーツで成功をつかむことは難しくなっている。
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5Gで多視点視聴も、NTTドコモ「ラグビーW杯」で“パブリックビューイング2.0”
2019年9月20日に東京都港区のベルサール汐留で開催されたスポーツの試合のパブリックビューイングイベントは、2つの意味で大きな注目を集めた。1つは、「ラグビーワールドカップ2019日本大会」の開幕戦である日本代表対ロシア代表の試合だった点。
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大船渡高・佐々木投手の登板回避論争に一石?、肘のケガ予防する米国発IoTデバイス
今年も日本の夏の風物詩「全国高校野球選手権大会(第101回)」が2019年8月6日に開幕した。予選大会で世間の耳目を集めたのが、高校生最速とされる時速163kmの球速をマークした岩手県立大船渡高校の佐々木朗希投手が、岩手県大会決勝で登板を回避して同校が敗退したことだ。
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実戦に登場、「ロボット審判」の評判
野球の米独立リーグ・アトランティックリーグは、2019年7月10日に開催したオールスターゲーム(ペンシルバニア州ヨークで開催)で「ロボット審判」を導入した。「オートメイテッド・ボール・ストライク・システム(ABS)」と呼ばれる、ボールとストライクの判定を自動的に行うものだ。