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 野球の米独立リーグ・アトランティックリーグは、2019年7月10日に開催したオールスターゲーム(ペンシルバニア州ヨークで開催)で「ロボット審判」を導入した。「オートメイテッド・ボール・ストライク・システム(ABS)」と呼ばれる、ボールとストライクの判定を自動的に行うものだ。

米独立リーグ・アトランティックリーグのホームページ
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(図:アトランティックリーグ)
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 この試みは米メジャーリーグ(MLB)とアトランティックリーグが2019年2月に提携したことで実現に至った。この提携によってABSの他、ピッチャーマウンドを2フィート(約61センチ)後退させたり、捕手が後逸した場合2ストライクでなくても1塁への進塁を試みられる「1塁盗塁」など、革新的な試みがアトランティックリーグの実戦で導入されることになった。

 ABSの基本は、「トラックマン」(デンマークTRACKMAN)というボールの追跡技術だ。トラックマンは元々軍事用だった3次元ドップラーレーダーを応用し、投球の速度や回転数、変化量、さらに打球の速度や打ち出し角度などを算出できる。MLBでは全30チームのスタジアムに設置されており、ボールや選手の動きを追跡してデータ化するトラッキングシステム「STATCAST(スタットキャスト)」の中核技術として使われている。日本のプロ野球でも、広島東洋カープを除く11チームが採用しているほどポピュラーな存在だ。

軍事用レーダーを応用し、投球や打球のデータを取得するトラックマン。バックネット後方に設置される。写真は千葉ロッテマリーンズの本拠地「ZOZO マリンスタジアム」に設置されているもの
軍事用レーダーを応用し、投球や打球のデータを取得するトラックマン。バックネット後方に設置される。写真は千葉ロッテマリーンズの本拠地「ZOZO マリンスタジアム」に設置されているもの
(写真:日経 xTECH)
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 そのトラックマンを使用し、MLBの技術チームは入力があったXYZ座標からボールとストライクの判定に変換するソフトを数カ月かけて開発。さらにアトランティックリーグの試合を対象にバックグラウンドで実証実験を行ってきたという。

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