これまで高額なモーションキャプチャー(モーキャプ)装置を使ってしかできなかった、速く複雑に動くスポーツの動作解析が“民主化”されようとしている。
アシックスと、着るタイプのウエアラブルセンサーを開発するXenoma(ゼノマ)は、着て投げるだけで投球動作を解析できる「投球動作解析 e-skinシャツ」を開発した。ゼノマは衣服に形成する変形・伸縮が可能な電子回路技術を有する、東京大学発のベンチャー企業である。
同シャツは、体の動きを計測するモーション(慣性)センサーや関節部位の動きを計測する歪み(ストレイン)センサーを搭載しながら、着心地の良さと優れた洗濯耐久性を確保した点が特徴としている。
開発では、アシックスのスポーツ工学研究所が有する人の動きに関する豊富な知見や、今回蓄積した動作時の皮膚の歪みデータを活用し、投球動作解析に特化したウエアに仕上げた。計測を通じて得られる関節の角度や角速度などのデータから、野球指導の現場で投球において重要とされる「身体の開き」や「胸の張り」などを評価できるという。