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相手の得意パターンを浮き彫りに

 下の図は、Patterns of Playの画面例である。分析対象の選手(左側のCompetitor)が右側のコートの「1」で示したエリアにサーブした後、対戦相手がアウトでなかった有効なリターンショットをどこに打ったかを分析する画面である。ここで使うデータは、分析対象の選手が戦った34試合で発生した合計1956本のラリーのうち、有効なリターンショットだった260本である。

Patterns of Playの画面例。分析対象の選手(左側のCompetitor)が右側のコートの「1」で示したエリアにサーブした後、対戦相手がアウトでなかった有効なリターンショットをどこに打ったかを分析する画面
Patterns of Playの画面例。分析対象の選手(左側のCompetitor)が右側のコートの「1」で示したエリアにサーブした後、対戦相手がアウトでなかった有効なリターンショットをどこに打ったかを分析する画面
(図:SAP)
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 画面を見ると260本のうち、最もリターンが多かったエリアは64本、つまり24.6%の確率で返って来た場所である。分析対象の選手が右利きの場合、次のショットを通常はバックハンドより得意とするフォアハンドで攻撃ができることを意味する。

 Patterns of Playはこの1ショットの分析だけで終わらない点が最大のポイントである。例えばコーチは、64本と最もリターンが多いエリアをクリックすると、分析対象の選手が次に相手コートのどのエリアに打ったかが見られる。そこでのポイント獲得率が高ければ、分析対象の選手の得意パターンであることが分かるので、サービスのリターンから対策を練ることができる。

 またコートの深いエリア(ベースラインに近い)にボールを打たれた場合、プレッシャーがかかる中で選手はどこにボールを返す傾向があるか、などの分析が可能である。

 Cerny氏はPatterns of Playについて、「2019年に再びコーチや選手たちと話す機会を得て、Tennis Analytics for Coachesをもっと上のレベルに高めることを考えた。見ているデータ自体は同じだが、もっと深いインサイト(洞察)を提供することができた」と話す。現在は導入していないが、将来的にはAI(人工知能)を導入してコーチの分析作業を簡略化したりする可能性もあるとしている。