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 スマートフォン(スマホ)で撮影した画像から採寸する技術「Bodygram」を提供する米ボディグラム(Bodygram)の日本法人Bodygram Japanは、フィットネス領域へ参入すると発表した。まずは競泳オリンピックメダリストでフィットネスジム「CrossFit」でトレーナーも務める松田丈志氏をアンバサダーに迎え、同領域に向けた開発を進める。

 もともとBodygramの技術はオーダーシャツを専門とするECサイト「ORIGINAL STITCH」(米Original、2019年3月にワールドが子会社化)向けに開発したもの。同社から身体採寸ツール「Bodygram」とデータ・プラットフォーム「BodyBank」のBtoB事業について独立する形で、2019年1月にボディグラムが設立された。

 なぜ、シリコンバレー発のアパレル系テック企業が日本でフィットネス領域に参入するのか。ボディグラム創業者でCEOのジン・コー(Jin Koh)氏と、アンバサダーとなる松田氏に話を聞いた。(聞き手:内田 泰、宇野 麻由子=日経 xTECH)

ボディグラム創業者でCEOのジン・コー氏(左)と、アンバサダーを務める競泳オリンピックメダリストの松田丈志氏(右)
ボディグラム創業者でCEOのジン・コー氏(左)と、アンバサダーを務める競泳オリンピックメダリストの松田丈志氏(右)
(撮影:日経 xTECH)
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アパレル業界ではスマホなどを利用したサイズテック(採寸技術)が業界に大きな変化を起こすと話題になっている。今回、なぜフィットネス領域に参入したのか。

コー氏:我々は人工知能(AI)を使ったテクノロジーの企業だが、常に「Human Centric(人間が中心)」を心がけている。人の生活に価値を作っていきたいと考えており、価値を届ける上で技術は一つの要素に過ぎない。我々は「BodyBank」と呼ぶ身体データベースを持っており、サイズ計測技術はフィットネスでも応用できる。これまでにアパレルで使えることは証明した。次は体、心身の健康といった分野を狙うというのは自然な流れだ。

 Bodygramはアパレルのためだけに作った技術ではなく、エコシステムを作りたいと考えている。いわばAndroidの考え方に似ているのかもしれない。スマホ用OSとしてよく知られているが、ノートパソコン、さらには自動車や家といったように、Android OSはさまざまな用途を想定しており、そのエコシステムを形成している。

従来のアパレル用技術と今回発表したフィットネス用技術に差はあるのか。

コー氏:写真を撮って体の輪郭からサイズを計測するというコア技術は同じだ。我々はAIの開発を続けており、精度向上などを進めている。

 今回アンバサダーに就任した松田丈志氏は、北京・ロンドン・リオ五輪の競泳で銀・銅メダルを獲得しており、2020年9月開催予定の「2020 佐渡国際トライアスロン大会」(Aタイプ;スイム4km、バイク190.0km、ラン42.195km)に挑戦する現役のアスリートだ。そして自身もフィットネスジム「CrossFit」のトレーナーとして活躍する。松田氏をBodygramの「アーリーアダプター」として、意見やアイデアを頂き、我々が新たな特徴や機能として搭載してフィットネスに最適化したBodygramを作っていく。