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 ZOZOSUITをはじめとしてアパレル業界で盛り上がった「サイズテック」。実はフィットネス業界や美容業界でも熱い視線を集めている。ここ数年、運動やエステなどの効果を客観的に評価し顧客の利用継続に対するモチベーションを高めようと、専用のカメラなどを使った3Dボディースキャナーなどが続々と登場している。ただし、設備の導入コストや設置面積、使い勝手などが導入の課題となっている。

 これらの課題をクリアできるとして注目を集めるのが、スマホを使った採寸技術だ。米シリコンバレー発のサイズテック企業ボディグラム(Bodygram)が提供する採寸技術は、スマホを使って服を着たまま撮影すれば背景に関わらずサイズが分かるというもので、ユニクロなどが採用している。

 同社の日本法人Bodygram Japanはフィットネス領域への参入を発表し、アンバサダーに競泳オリンピックメダリストの松田丈志氏を迎えて開発を進めている。松田氏は2020年9月に開催される「2020 佐渡国際トライアスロン大会」Aタイプ(スイム4㎞、バイク190.0km、ラン42.195km)に挑戦する予定で、トレーナーとしても活躍している現役のアスリートだ。ボディグラム創業者でCEOのジン・コー(Jin Koh)氏と松田氏に話を聞いた。(聞き手:内田 泰、宇野 麻由子=日経 xTECH)

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今回、Bodygram Japanと松田氏が協業することになったきっかけは何か。

松田氏:今から1年半くらい前に、Bodygramの技術を活用している寝具メーカーのエアウィーヴが主催したイベントでコー氏と出会った。その後、友人としてランチをしたときにBodygramの話になった。自分が現役選手だったとき、身体を測定して客観視することがアスリートとして重要だと考えていた。アスリートは主観的になりがちだが、データを見ると予期せぬところに成長のきっかけがあることに気付いたり、エネルギーを注ぐべきところが明確になったりする。いろいろと専門的な身体測定もやっていたが、自分としては日常的に体重を測ることを重視していた。

競泳オリンピックメダリストの松田丈志氏がBodygramのフィットネス領域でのビジネスのアンバサダーを務める
競泳オリンピックメダリストの松田丈志氏がBodygramのフィットネス領域でのビジネスのアンバサダーを務める
(撮影:日経 xTECH)
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 ただし、機器によってバラつきがあったりするので、同じ体重計を持参し、朝と1回目の練習の前後、2回目の練習の前後と、1日に最低5回は測定していた。目標体重を設定し、計測結果をプロットして、体作りが計画的に進んでいるかどうかを確認していた。サイズ感や見た目、脂肪が落とせている・筋肉がついてきているといった感覚も確認しつつ、体重も順当に落ちていたら「体が作れているな」と考えていた。

 こうした直感的に見ていた部分がBodygramを使えば客観的に計測できるようになる。体重と組み合わせれば、具体的に体の変化を見られるだろう。

 今回の技術を使えば、より細かに日々の体の変化を追うことができるようになると思う。現役の時は、専用施設で、専用スーツを着て特徴点をプロットして…という大掛かりな3Dスキャンを1年に1~2回行っていた。例えば体脂肪率については、市販の計測機器は個体差が大きく、同じものを持ち歩いても指標として参考にするレベルだった。国立スポーツ科学センター(JISS)にある体脂肪計測器「BODPOD」のような最先端の機器であっても、測定者や被測定者によって差があると感じていた。

 Bodygramの技術であれば、好きな場所で好きな服装のままで計測できる。継続的に体形をチェックできる。ここに大きなメリットがあると思う。体重と組み合わせれば、トップアスリートの変化を見るのにも役立つだろう。 “体重計を超える指標”になることが目標と聞いている。

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