日本のスポーツ市場は今、大きな変革期を迎えている。巨大スポーツイベントの相次ぐ開催を控えてスポーツ熱が高まるなか、政府がスポーツの普及による国民の健康促進の支援を強化。時を同じくして、スマートフォンをはじめとする最新テクノロジーが各種スポーツに導入され始めており、スポーツビジネスの世界でさまざまなイノベーションが起きている。ITやエレクトロニクス企業などによる新規参入は引きを切らない。このコラムでは、スポーツビジネスに携わるキーパーソンの声を中心に、「スポーツとイノベーション」について考えていく。
スポーツとイノベーション
目次
-
ドコモ×Tリーグのタッグで挑む、5Gで「スポーツ体験」高度化
2020年3月、NTTドコモ(以下、ドコモ)は「スポーツ観戦における新たな体験価値の創造」と「スポーツ業界のエコシステム構築などを通じたファン拡大」を目指して、日本のプロ卓球リーグ「Tリーグ」とトップパートナー契約を締結した。同社はこれまでにもJリーグやBリーグなど多数の競技と連携し、自社の技術を…
-
黒字化達成のTリーグ、成長の鍵握る“卓球版マイナンバー”
日本初のプロ卓球リーグとして2018年にスタートした「Tリーグ」。日本だけではなく海外の代表クラスの選手が多数集結し、世界でもトップレベルのリーグとして耳目を集めている。その成長を陰ながら支えているのが、リーグのマーケティング業務などを手がけるTマーケティング、そして19年7月から同社の代表取締役…
-
NTTドコモら8企業がタッグ、愛知に世界基準の国内最大級アリーナ建設へ
2021年3月24日、新しい愛知県体育館の基本協定調印式が行われた。調印式には愛知県の大村秀章知事をはじめ、NTTドコモ、前田建設工業などコンソーシアム「Aichi Smart Arenaグループ」に名を連ねる各企業の代表者が参加し、新体育館のコンセプトや運営計画などについて説明した。
-
施設や工場での行動を靴で分析、アシックスがスポーツ向け転用
アシックスは、施設や工場内における従業員の位置情報などを分析し、労働状況を可視化するソリューションを開発した。もともとは実業団のスポーツチームや部活動向けを想定して開発していた技術を転用した。
-
「バーチャルレース」から探るスポーツ・アウトドア業界の未来
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はスポーツ業界にかつてないほどの暗い影を落としたが、その中でも光明を見い出した領域がある。Doスポーツ、中でもランニングやトレイルラン、登山といったアウトドアスポーツだ。他と同様、大会やイベントは中止・延期に追い込まれたが、その中でも「バーチャルレース」…
-
ソニーが技術で下支え、横浜F・マリノスが総合型地域スポーツクラブ設立
近年、地域密着型の総合型地域スポーツクラブとして、特定のスポーツだけではなく複数の競技を展開するプロスポーツクラブが増えている。特に顕著なのがJリーグクラブだ。
-
コロナ禍が後押しする5G遠隔番組制作、ソニーなど実験成功
ソニーはフジテレビジョン、NTTドコモと共同で、5G(第5世代移動通信システム)通信サービスとクラウド上に構築した仮想中継システムを用いた遠隔制御による番組制作「CNG(クラウド・ニュース・ギャザリング)」の実証実験を2020年11月9日に行い、遠隔でのライブ番組制作に成功した。
-
オールジャパンの技術活用でブラサカ日本代表、メダル獲得へ
2020年3月、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響により、同年開催予定だった東京オリンピック・パラリンピックの延期が決定した。前代未聞の事態はスポーツにかかわるすべての人々に甚大な影響を与えることになった。しかし、このピンチをチャンスに変えようとしている組織もある。
-
パラリンピック延期は何をもたらしたか、ブラインドサッカー日本代表監督に聞く
2020年3月、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響により、同年開催予定だった東京オリンピック・パラリンピックの延期が決定した。前代未聞の事態により、競技生活を断念するアスリートや、強化費不足が懸念される競技団体なども出てきている。
-
コロナ禍は「スポーツ×地方創生」に追い風、FC今治・岡田氏の妄想力
岡田武史(FC今治/今治.夢スポーツ代表取締役会長)インタビュー:後編
指導者時代はサッカー日本代表を2度ワールドカップ出場に導き、現在はJ3のFC今治のクラブ代表である岡田武史氏へのインタビュー。前編では、着工が延期になった新スタジアムの話題から、ウィズ・コロナ時代のスポーツ観戦について、同氏が考える未来予想図を語っていただいた。決断力、発想力、直感力、創造力。指導…
-
経営者「岡田監督」が考えるウィズコロナ時代のスポーツビジネス
岡田武史(FC今治/今治.夢スポーツ代表取締役会長)インタビュー:前編
サッカー日本代表を2度、ワールドカップ出場に導いた名監督――。それがサッカー界における岡田武史氏のイメージだった。2010年に代表監督を退任すると、日本サッカー協会の理事や中国の杭州緑城足球倶楽部(現・浙江緑城足球倶楽部)監督などを歴任。そして14年11月、当時、四国サッカーリーグに所属していた、…
-
アフターコロナのスポーツ、鍵は「365日モデル」とコミュニティー
東京オリンピック・パラリンピックを始め、世界中のスポーツイベントを開催中止に追い込んだ新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)。経済的なダメージだけでなく、これからのビジネスのあり方や興行の開催方法、ファンの観戦スタイルなどあらゆる領域に影響を及ぼしている。これからの“アフターコロナ時代”の中…
-
新型コロナで地盤固めるeスポーツ、米国で1万以上の高校が登録するサービスも
“コロナ時代”のスポーツテック(下)
新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的な感染症の流行)は、スポーツ産業に大きな変革を迫っている。米国サンフランシスコと東京を拠点に、シード/アーリーステージのスタートアップに投資するスクラム・ベンチャーズ アソシエイトの黒田健介氏によれば、「ウィズコロナ」「アフターコロナ」の“コロナ時代”に…
-
オンラインで友人と熱狂、新型コロナで変わるスポーツ観戦
“コロナ時代”のスポーツテック(中)
新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的な感染症の流行)は、スポーツ産業に大きな変革を迫っている。米国サンフランシスコと東京を拠点に、シード/アーリーステージのスタートアップに投資するスクラム・ベンチャーズ アソシエイトの黒田健介氏によれば、「ウィズコロナ」「アフターコロナ」の“コロナ時代”に…
-
コロナ禍で浮上する5大トレンドにスポーツテックの新たな事業機会
“コロナ時代”のスポーツテック(上)
-
デジタルトランスフォーメーション、スポーツ界への真のインパクト
スポーツ×デジタルの取り組みは日進月歩の勢いで進んでいるが、育成年代においては幾つかの理由によって普及途中の状況でもある。その理由は何か。育成年代においても、デジタル活用が進むとスポーツを取り巻く環境はどのように変化するのか。
-
「デュアルキャリア」がスポーツ界、そしてビジネス界に与えるインパクト
アスリートのキャリア問題は、以前からスポーツ業界が抱える重要課題のひとつだ。若い頃から競技一筋で育ってきたために、現役引退後にうまく次のキャリアへと踏み出せないアスリートは少なくない。ただし近年は、各競技団体やクラブ、人材関連企業などがその支援を進めているし、自らキャリアに関する情報発信を行うアス…
-
共創で価値向上、老舗・東京ヴェルディの新しいスポンサーシップ
スポーツ団体・クラブの重要な収入源であるスポンサー費。かつては「支援」が主な目的だったが、1984年のロサンゼルスオリンピックを境に「広告・露出」目的のものが増えていった。近年のスポーツ×スポンサーのあり方はさらに進化を遂げ、スポーツの力を活用して企業や地域の課題解決や価値向上を実現することがトレ…
-
五輪は日本の伝統文化やサブカルを世界に発信するチャンス
東京2020大会組織委員会 天野春果氏に聞く(下)
算数ドリル、宇宙と『機動戦士ガンダム』を組み合わせた「G-SATELLITE(ジーサテライト)」など、オリンピック・パラリンピックと他分野を掛け合わせることで東京2020大会を国内外にアピールする斬新な企画を推進している天野春果氏(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 イノベーション…
-
ガンダムが超小型人工衛星から東京オリパラ応援、前代未聞のプロジェクトはいかに誕生したか
東京2020大会組織委員会 天野春果氏に聞く(上)
開幕まで200日を切った東京オリンピック・パラリンピック(東京2020大会)。オリンピック出場権を懸けたアスリートの戦いの模様や、競技場の竣工状況の様子などが日々メディアで取り上げられ、にわかに活気づき始めている。