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 1978年にオープンして以来、横浜市のシンボルの1つになっている横浜スタジアム。2020年の東京五輪では、野球およびソフトボールのメイン会場として使用されることが決まり、現在増築・改修を行っている。これと同時に、横浜DeNAベイスターズが推し進めているのが「コミュニティボールパーク化構想」だ。野球ファンのみならず多くの人々が楽しめる、集いの場となることを目指す。

  慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科と日本経済新聞社が共催した「Sports X Conference」(2019年7月27~28日)では、「ベイスターズが進めるコミュニティボールパーク」化構想と題し、横浜DeNAベイスターズ事業本部 経営・IT戦略部 部長の林裕幸氏が登壇。横浜スタジアムの現在と未来像について語った。

約97%の試合がほぼ満員

横浜DeNAベイスターズの林裕幸氏。「横浜スポーツタウン構想」や新規事業、球場改修計画立案などを手がける
横浜DeNAベイスターズの林裕幸氏。「横浜スポーツタウン構想」や新規事業、球場改修計画立案などを手がける
(写真:浅野智恵美)
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 横浜スタジアムが増築・改修に至った経緯には、東京五輪はもちろん、観客動員数の現状とキャパシティも関係している。横浜スタジアムの2018年シーズンまでのキャパシティは約2万9000人。12球団の中でも最も少ない部類に入る。

 一方、2018年は横浜スタジアムで年間71試合行われたうち、69試合がほぼ満員で大入り率は97.2%。完売は52回で73.2%となり、動員数は200万人を突破した。そのため、観戦チケットも取りにくくなっている。

 「横浜スタジアムは横浜公園の中にあるため、都市公園法やそれにひもづく条例もあって、これまで増築・改修が難しかった。しかし、東京五輪の試合開催や動員数の多さが2大要因となり、横浜市議会が通常よりもかなり短い期間で条例改正をし、無事改修ができるようになりました」(林氏)

 増築・改修はすでに進められており、2019年に一部の増築が完了。キャパシティは約3万2000人に増えた。現在の稼働率でいけば、2019年は220万人を超える動員数が見込めるという。

 「キャパシティが増えたことで来場者数は今年も堅調に推移していて、球団史上最速の主催32試合目で動員100万人に到達しました。平均観客動員数(7月時点)は1試合あたり3万1590人で、12球団中4位の動員数まで成長しています」(林氏)

 2020年の増築・改修完了後のキャパシティは約3万5000人になる予定だ。東京五輪では合計60試合が横浜スタジアムで開催されるため、動員数減が考えられるが、約220万人を見込んでいる。2021年からは通年でスタジアムが使用できるため、稼働率をそのまま保てれば年間約240万人の動員数が期待できるという。

横浜スタジアムの改修後のイメージ
横浜スタジアムの改修後のイメージ
(資料:横浜DeNAベイスターズ)
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