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卓球用プログラムで感じた“ダンス×スポーツ”の可能性

ダンス×スポーツの観点では、どのような取り組みをしているのでしょうか。

TETSUYA 卓球界と協力し、U-7(7歳以下)卓球選手育成事業の一環で有望選手たちを集めた強化合宿に僕が考案したダンスプログラムを提供しました。卓球はリズム感がとても大事なスポーツだと考えているので、リズム感を養えるようなウォーミングアップ用のプログラムです。

静岡県磐田市のスポーツクラブで子供たちに指導するTETSUYA氏
静岡県磐田市のスポーツクラブで子供たちに指導するTETSUYA氏
(写真:LDH JAPAN)
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 このプログラムのヒントは、伊藤美誠選手から得ています。彼女は1分間に180回という高速卓球ラリーのギネス世界記録を持っています。同じ1分間でプラス5回分の動作を身体に覚えさせることができれば、より高速でボールを打てるようになるのではないかと考えたのです。そこで、卓球の動作を取り入れつつ、185BPM(Beats Per Minute:一分間あたりの拍数)のスピードで動くプログラムを提案しました。強化合宿に参加していた子どもたちはトップクラスの選手たちですので、リズム感が良く、覚えも早く、見ていても面白かったですね。

 いつか、合宿に参加した子どもたちの中からオリンピックに出場する選手が出てきて「昔、強化合宿でTETSUYAさんにダンスを習って、一緒に踊りました」と言ってくれる子どもが出てくるとうれしいです。

今のお話は“スピード”という普遍的なものを起点にプログラムを考えられたということで、いろいろな条件、競技、環境に合わせたプログラムを作れるのではないでしょうか。

TETSUYA おっしゃる通りです。だから、ダンスの可能性はものすごく広いんです。それに気づいてくださる方や、協力をしたいと言ってくれる方を色々な業界から集めていきたいと考えています。

 こうした行動に出ているのは、ダンスの裾野を広げ、ダンスを通じた出口を増やしていきたいからです。

 今、ダンスに関わる職業はパフォーマーや指導者、振付師など限られたものしかありません。でも、ダンスがスポーツとして根付いていけばJリーグやTリーグのように「ダンスリーグ」のようなものができるかもしれませんし、社会全体に根付けばダンスの研究者であったり、ダンサー兼教授、ダンサー兼政治家といったように、ダンスに関わりながらも多様な選択肢を選べる未来が開けるのではと考えています。

 我々は、それぞれの活動を通じて得た経験を「EXILEに還元する」ことを大事にしています。EXILEには今19人のメンバーがいますが、各々が何らかのスペシャリストになってそれぞれの知識やスキル、経験を結集させることでEXILEを輝かせるという目標を持っています。そもそも僕が大学院に行ったのもそれが動機です。教育やスポーツ分野のスペシャリストになりたいんです。

 その流れでもうひとつ紹介したいのが、「EXPG高等学院」の取り組みです。EXILEは2003年から「EXPG STUDIO」というエンタテインメントスクールを展開しています。そのスクールが通信制学校法人「角川ドワンゴ学園N高等学校(以下、N高)」と提携して設立したもので、N高の通信教育システムを活用してダンスを学びながら高卒資格が取得できるものです。僕はEXPG高等学院の学長に就任しており、ダンスが好きな子どもたちの可能性を広げていきたいと思っています。