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 新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的な感染症の流行)は、スポーツ産業に大きな変革を迫っている。米国サンフランシスコと東京を拠点に、シード/アーリーステージのスタートアップに投資するスクラム・ベンチャーズ アソシエイトの黒田健介氏によれば、「ウィズコロナ」「アフターコロナ」の“コロナ時代”に浮上してきた新たなトレンドは5つあるという。今回は、5つのトレンドのうち、eスポーツ時代の 「本格的到来」とホームフィットネス&ウェルネスの 「勃興」を解説してもらう。

eスポーツ時代の 「本格的到来」

 近年、新しいジャンルのスポーツ競技として注目を集めてきた対戦型ゲームのeスポーツだが、新型コロナで多くの生活者が自宅待機を余儀なくされる昨今、ユーザー層およびファン層を大きく拡大するチャンスが到来している。

 実際、ゲーム機の2020年3月の売り上げは、任天堂の「Switch」が前月比2.8倍、ソニーの「プレイステーション4」が同2.3倍と大きく伸びた。また、⽶アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)傘下のTwitchなどのゲーム中継プラットフォームの視聴者数は、昨年対比で約2倍に増えたという。

 また世界中で最も多くプレイされているゲームタイトルの「Fortnite」は、登録ユーザー数が3.5億人を超え、全ユーザーの累計プレイ時間が32億時間を超えたことを、2020年5月7日に配信元の英Epic Gamesが発表した。

世界中で最も多くプレイされているゲームタイトルの「Fortnite」のツイッター
世界中で最も多くプレイされているゲームタイトルの「Fortnite」のツイッター
(出所:Fortnite 公式ツイッターアカウント)
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 日本のゲーム市場はこれまで、任天堂やソニーというコンソールゲーム大手のお膝元として専用ゲーム機をプラットフォームとして発展してきた経緯がある。このため、PCをプラットフォームとするeスポーツに関しては世界のトレンドに後れを取ってきた。

 しかし、今回のコロナショックを機にライトなユーザー層・ファン層が急速な広がりを見せることで、日本でもようやく市場が拡大するのではと期待している。

 もっとも、eスポーツだからといって新型コロナの影響を受けないわけではない。実はeスポーツの大規模な大会は従来、オフラインでの開催を前提としてきた。プレーヤーの本人確認が必須で、コントローラーの入力が画面に反映されるまでのタイムラグなど、条件面の公平性を担保する必要があるためだ。このため、新型コロナの感染拡大を受けて、Fortnite世界大会などの大規模イベントが中止に追い込まれている。