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マイクロソフトから顧客奪う

 実はこの提携強化によってAWSは新たな顧客を得ることにもなっている。NFLのシアトル・シーホークスだ。シーホークスを1997年に買収し、オーナーとなったのが2018年に亡くなったポール・アレン氏である。アレン氏はビル・ゲイツ氏とともに、マイクロソフトの共同創設者としても知られる人物だ。現在、シーホークスはアレン氏の死去以降、妹のジョディ氏によって運営されている。

 アレン氏の経歴もあってシーホークスはこれまでマイクロソフトのクラウドプラットフォーム「Azure」を使用してきた。2017年の発表によれば、「Sports Performance Platform」と呼ばれるツールを使用して、練習中に選手に取り付けられたGPSを使用してパフォーマンスデータを収集し、Azureが結果を分析。さらに選手は同社のタブレット端末「Surface」で分析結果を見られるようになっていたということだ。

 それが提携強化の記者会見が行われる直前の2019年11月25日、AWSはシーホークスが顧客となったと発表したのである。発表によればAzureからの移行の要因には、NFLがAWSの大規模顧客であることが挙げられていた。シーホークス自体はAzureとの5年契約が満了したことによる円満な移行であると強調している。チームのITサービスの大部分はAWSに移行され、パフォーマンスデータの分析などもAWSで行われるということだ。

 同じワシントン州シアトル周辺に本社を置き、国防総省の100億ドル規模のJEDIクラウド契約入札などでも激しく争うライバル2社。NFLに関してはAWSが勝利を収めたようである。